教育委員だよりNo.3

平成13年9月19日

小牧市教育委員会教育長  副島  孝

「スクール・カウンセラーの役割」

  心理学者や精神科医、カウンセラーの本にすぐ手が伸びるようになったのは、数年前からのことです。数多くの本が出版されるようになったことも確かです。しかし、冷静に自己分析をしてみると、早く学校の現場に戻って教育実践の仕事にもう一度取り組みたい、という気持ちの現われだったように思われます。もう学校現場には戻れなくなった今もその傾向が続いているのは、我ながら未練がましいと感じます。

 ただ、その結果得るものもたくさんありました。カウンセラーの仕事がどういうものかが分かってきました。最大のことは、同じくカウンセラーと呼ばれる人でも、いろいろな考え方があり、同じ事例にも対処の手法が異なるということです。考えてみれば当然のことです。マニュアルどおりに、こういう事例にはこういう助言などということは、カウンセリングそのものを否定するようなものです。相談者にいかに話してもらい、相談者自身に考えてもらうことを抜きに、カウンセリングは成り立たないはずです。

 学校におけるカウンセラー、いわゆるスクール・カウンセラーの配置が進んでいます。小牧市では、これはかなり自慢できることですが、市独自でかなり充実したカウンセリングのシステムを実現しています(来年度は、さらに充実したものにしたいと考えています)。しかし、学校ではカウンセラーと一般の先生方との連携がうまく取れないと、カウンセラーまかせのもっとも望ましくない結果におちいってしまう可能性もあります。

 小牧市では、これもかなり自慢できることですが、学校に配置される個々のカウンセラーがばらばらの存在ではなく、定期的に話し合う機会を持ち、情報交換と相談方法の向上に努めています。また、学校の先生方と協力し合うよう努めています。教師の仕事に完成がないように、カウンセラーの仕事もこれで完璧ということはないはずです。ましてや、学校の先生方とカウンセラーとの協力関係に完璧はありません。常に連携をこころがけることが、相談を必要とする子供たちにとっては大切なことです。

カウンセラーが常に学校にいて、いつでも相談にのれるようになっており、一般の先生は相談をカウンセラーに任せて授業だけに専念すればよい体制になる、と考えている人もいるようですが、それは無理ですし、望ましいとも言えません。そんな数のカウンセラーがいるはずもありませんし、日常的に子供たちと接している先生方が相談から手を引けば、事態はもっと深刻なものになるでしょう。連携を取り合ってこそ、学校にカウンセラーを配置する意義もあると考えています。


目次へ戻る