教育委員だより No.5

平成13年10月1日

小牧市教育委員会委員  山下 豊子

「国際人とは」

私は中学校で英語を学び始めてからずっと英語が大好きで、現在も英会話講師をしています。小牧市は、ますます進展する国際化社会のなかで、国際的な相互理解を深めるとともに国際感覚の涵養を図ろうと、姉妹都市や友好都市に毎年小中学生を送っています。このように世界に目を向けた小牧市国際交流協会のボランティア通訳として、青少年の国際交流と国際教育のお手伝いをさせていただくことができ、とても幸せに思っています。

さて、国際人とは、どういう人を指すのでしょうか。私の考えでは、生きる力、物事を自分で考える習慣、他人を思いやる心、自分の意見を正直に発表できる勇気、各々生き方や考え方が異なってこそと思える包容力、自分の国の文化を次世代に伝えなければならないという責任感、世界の抱える諸問題を正面から真剣に受け止める姿勢などを持てば、誰もが90%国際人です。残りの10%が、世界に通じる言語の習得と考えています。

そのなかでも最も大切なことは、生きる力をつけることです。日本の家庭を見ると、子供を大切にするばかりに客のようにもてなしている親が多いように思えます。勉強やお稽古には力を入れるのですが、人間が生きていくための基本、すなわち掃除、洗濯、料理など日常生活の基本がおろそかになっています。この毎日の行いの中でこそ人間が生きていくためのノウハウが学べると、私は考えています。

例えば、ゴミだし一つにしてもルールがあります。不燃物、燃えるゴミ、資源ゴミと分別し、ゴミを出す場所、出す曜日など決められたことを守らないと、集団生活は成り立ちません。環境を守るには地球人一人ひとりの自覚と努力が不可欠だということを、身近なところで学ぶことができます。

家事をすることから、独立心も育ち、生活の知恵も身につくのではないでしょうか。「生きる力」の核となる正義感、倫理観、そして思いやりの心などの豊かな人間性も、家庭内の普段の生活の中で育つものであり、日常生活の基本こそがすべての基本であると、私は考えています。

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