教育委員だよりNo.7

平成13年10月15日

小牧市教育委員会教育長  副島 孝

「小牧養護学校の運動会」

   運動会のシーズンです。市内の各学校の運動会や体育大会も1校を残して終わりました。私もいくつかの学校で見させていただきました。小学校の子供たちの元気な歌声で始まる運動会、中学校での陸上競技を中心とするたくましい生徒たちの体育大会。それぞれに印象深いものがありました。運動会は競技だけで成り立つものではありません。企画運営面でも、子供たちやPTAの方々の力が必要です。運動会を機会に成長を見せるクラスや子供たちが少なくないことは、教育に携わるものなら誰でも経験していることです。

 今年参加した運動会のなかで最も心に残ったものは、9月29日に行われた小牧養護学校の運動会でした。久保一色にある県立の小牧養護学校は、肢体不自由の子供たちを対象とした、小学部、中学部、高等部あわせて150名程の子供たちが学ぶ学校です。近くの一色小学校と味岡中学校とは以前から交流活動を続けています。特に一色小学校とは年間を通じて交流の機会を設けており、私も数回参観させていただいたことがあります。

 さて、小牧養護学校の運動会ですが、肢体不自由の子供たちの学校ですから、何とか自力で歩ける子から、歩行器を使って歩く子、車椅子の子まで様々です。いろいろな程度の障害を持つ子供たちに、どのような種目を用意するべきか、先生方はずいぶん考えられたと想像できます。かけっこの距離が障害の程度により変わるのは、当然のことです。電動車椅子を操る子にはカヌー競技のように前進とバックのスラロームを取り入れるなど、随所に競技としても楽しめる工夫が感じ取れました。

 出場する子供たちの様子はどうでしょうか。遠くから見ても分かる身振りで、喜びや悔しさを表現する子もいます。ちょっと見ただけでは反応が見られず、本当に楽しんでいるのかなと疑問を抱かせるような子供もいます。しかし、注意深く見ると、どの子もその子にできる表現で精一杯反応していることに気づきます。また、先生方は、細心の注意を払いながらも手をかけすぎず、子供たちの達成感を引き出そうとしてみえます。子供たちがそれに応えようとがんばる姿は、見る者の心を打ちます。

交流を続けてみえる一色小学校の先生から聞いた話です。交流が一色小の子の自己満足に終わっているのではないかと養護学校の先生にお尋ねしたところ、「交流のある日は欠席者が極端に少ない。いつも接している私たちの目には、喜んでいる子供たちの様子がはっきり見える」と言われたそうです。どちらの子供たちにとっても得るものがある、本物の交流だと痛感しました。機会があれば来年にでも一度、養護学校の運動会をご覧になってはいかがでしょうか。


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