教育委員だより No.30

                                                         平成14年6月10日

                                                小牧市教育委員会教育長  副島 孝

こども交流事業に大反響

学校週5日制が始まりました。日本中で、さまざまな議論がわき起こっています。ここで、基本だけは押さえておきましょう。学校週5日制とは、言い換えれば家庭・地域2日制ということだと考えます。つまり、子どもが集まり育つ場が学校だけでよいのかが、問われていると思うのです。難しく言うと、学校では本来どうしても学校的価値(将来のために勉強し、いい学校に入ることを良しとする考え方)が重要視されます。しかし、そうした尺度だけでは、多くの子どもたちはたまったものではありません。学校以外の場や価値が、子どもの成長には絶対に必要なのです。

かつては、学校以外に子どもたちだけが群れる世界がありました。そこでは、小さい子から年長の子まで一緒に遊ぶなかで、もめごとを経験しながら人間関係を学んでいきました。今、学校のない日は子どもたちだけでと言っても、すぐには無理でしょう。もう何十年間も、子どもたちで群れる場を結果的に大人たちが奪ってきたからです。そこで、できるだけ地元で子どもたちが集まって交流する場をつくりたいと考え、平成12年度から始めたのが、「共同利用施設こども交流事業」です。地区の会館など中心に利用していただき、年間8回〜10回程度、子どもたちや親子、三世代でふれあう機会をつくっていただくというものです。

平成12年度には2地区、13年度には5地区に、かなりご無理を言ってお願いしてきました。それが14年度は、希望が予想の倍以上の16地区が予定されており、事務局が予算措置で大あわてとなるという、うれしい状況となりました。今年度の継続地区は桜井・二重堀・藤島団地、新規地区としては南外山・村中・池新田・安田・入鹿・文津・久保一色本田・下小針・多気で、他に4地区が予定されています。各区にはずいぶんお手間をとらせることになるのに、このように希望がたくさん集まったのは、この機会に子どもたちのために地域でも骨を折ろうというお気持ちの現れと、係は感激しています。

活動内容は、過去2年間の実績では、読み聞かせ・昔遊び(お手玉等)・パソコン・お日待ち・サツマイモつるさし・芋掘り・焼き芋・ナイトウォーク・盆踊り・和太鼓・グランドゴルフ・手品・竹とんぼ・餅つき・クリスマス会・陶芸・英会話・紙芝居・バザー・子供新聞・会館清掃・秋祭り・レクリェーション大会など多彩です。しかし、そんなに内容にこだわることはないと思います。子どもたちが集まる場を作ってあげることが、本来の目的ですから。最終的には子どもたちが自分たちで企画するようになれば、最高だと思います。

このような地域での子どもたちへの取り組みは、決して「こども交流事業」だけではありません。例えば、本庄小学校区では、「おもしろ体験隊」がこれまで以上の規模で行われています。21の講座が、それぞれ3回から5回開かれるという本格的なものです。それに、もっとうれしいのは、これだけのメニューの各講座の指導者が、地域の方々ということです。地域在住の現職やOBの先生もたくさん参加されていますが、それだけではありません。特技をお持ちの方と、協力したいという熱意の方が力を合わせて運営していることが、活動予定表を見ると伝わってきます。

市子連を始めとする各子ども会でも、さまざまな取り組みがなされています。本来の目的である子どもたち同士の交流のために、大人が世話を焼きすぎないことが大切でしょう(本当は、これがいちばん大変なことなのですが)。いつも言っていることですが、子どもたちのために汗をかく人で教育は支えられています。「子どもは親や大人の言うとおりにはならないが、やるとおりにはなる」は真理でしょう。汗をかいている方が、子どもたちのお手本となってくださっていると感謝しています。

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