教育委員だより No.43

                                                         平成14年11月18日

                                                小牧市教育委員会教育長  副島孝

これも総合学習〜応時中3年生の小牧山清掃〜

先日、区長さん方とお会いする機会があり、教育関係でもいろいろなお話をうかがうことができました。そのなかで、応時中学校の3年生が休みの日に小牧山を清掃しているというお話があり、教育委員会が指導しているのかと尋ねられました。私は初耳でしたので、ジュニア奉仕団の活動かもしれませんねと答えました。後日、応時中に問い合わせたところ、3年生の総合的な学習の時間(以下、総合学習と略します)の一環としての社会貢献学習であることがわかりました。現在の学習指導要領の目玉である総合学習を知っていただく意味でも紹介します。

応時中の3年生は総合学習として、2年生で佐久島での生活、職場体験学習、立志式、3年生で社会体験学習を学んできました。その過程で、多くの人たちとの触れ合いから多くの感動を受けました。そして、人を思いやることの大切さを学びました。その集大成として、3年生後期にこれまでに受けた喜びを、他の人たちにお返ししたいと社会貢献学習を考えたとのことです。

具体的には、活動内容を自分たちで考えるなかで、グループを作り、どんな活動を行うかを決定します。内容としては、清掃ボランティア(小牧山、小牧駅、大山川、公園、通学路等)、福祉ボランティア(病院、老人ホーム等)、保育ボランティア(保育園、児童館、乳児院等)、募金ボランティア(フリーマーケット、国際交流、緑化等)、地域ボランティア(これは多彩で図書館や交番の手伝い、少年野球の指導、ホームページ、ペットの世話等)と、多岐にわたっています。

大山川で清掃をしていたグループが、市の環境部が行っていた水質測定と出会い、いっしょに実施するというハプニングもあったようです。小牧山の清掃では、私に教えてくださった区長さん以外にも、多くの方が気づいたようです。そのうちのひとりの方から応時中に寄せられた手紙には、「無駄口をしゃべって作業する態度ではなく、黙々と手際よく落ち葉や紙屑を集め、可燃物袋に納めている姿に思わず『ご苦労様』と声をかけました。すがすがしい気分でその場を通り過ぎた大人たちが何人かあったことと思います」とありました。

今、日本では、子どもたちに限らず公共心の無さが問題になっています。しかし、この応時中の3年生に見られるような姿があることもまた現実です。総合学習ができたとき、「調べごっこ」では何も生み出さないという批判があったのも事実です。学力低下の元凶だとまでいう人もいました。しかし、総合学習か学力低下かという議論は間違っている、と私は思っています。きちんとした学力なしに総合学習がうまくいくはずはありません。また、本物の総合学習は、学ぶことの意義を再確認し、学力向上の大きな推進力になるはずです。

各学校で、多様な総合学習が展開されています。総合学習は内容を各学校に任された、最初の教育活動です。その意味で、学校には大変な負担となっていることも事実です。しかし、やりがいのあることでもあります。機会があれば、各学校の総合学習を紹介していきたいと考えています。

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