教育委員だより No.45

                                                         平成14年12月18日

                                                小牧市教育委員会教育長  副島孝

議論から共通認識が〜男女共同参画条例案がまとまる〜

小牧市の男女共同参画についての取組には、すでに長い歴史があります。平成3年3月に小牧市女性問題懇話会が発足し、意識調査を実施しています(ちなみに、このときの視点は「社会参加の推進ならびに男女平等の意識づくり」と並んで「生活の安定と福祉の向上ならびに母性保護と健康づくり」でした)。それをもとに平成5年3月に、「女性行動計画策定に向けて」と題する提言が懇話会から出されました。提言をもとに平成6年3月に「小牧市女性行動計画(通称ハーモニー)」が策定され、毎年推進状況を報告書としてまとめるようになりました。また、拠点施設として平成7年に女性センターが設立されました。その後、国でも平成11年に男女共同参画社会基本法、県では平成14年に「愛知県男女共同参画推進条例」が策定されています。この間、小牧市では、平成12年5月に「ハーモニー」を改定しています。

さて、本年度市としても新たなステージのために、男女共同参画条例の策定を計画しています。この条例の性格上、できるだけ多くの市民の声を結集してつくるべきだと考え、検討委員会委員は懇話会委員2名と公募の委員5名の計7人構成としました。また、素案に対して、広く市民の意見を求めることにしました。いわゆるパブリックコメントです。検討委員会の最初の会合を思い出すと、共同参画に対する、大学生からシニア男性までの各委員の思いがさまざまで、これからひとつの形あるものにできるだろうかと思わされるほどでした。その後、委員さん方は正式な会議以外にも自主的に学習会を開くなど、精力的に議論を深められました。素案ができ上がる頃には、委員間に同志的な雰囲気さえ感じられるほどになったのには驚かされました。

全国各地の条例や制定までの審議経過を検討しながら、小牧らしさやあるべき共同参画の姿をめぐり熱心な検討が続けられました。その結果、小牧市の条例としては初めて、前文をつけるよう提言がなされました。条文の細部をめぐり、激論が繰り広げられたことも珍しくありませんでした。共同か平等か、子育てと共同参画、国際条項や相談対応の明記など、論点は数多くありました。さまざまな信条の方々が、議論の中で共通の認識をつくり上げていく姿は感動的ですらありました。

これも小牧市としては初めての試みであるパブリックコメントには、12人から34件の意見が寄せられました。その意見をもとに,さらに2回の検討委員会が開かれ、最終の市長への提言がまとまりました。提言書は12月19日に委員長から市長に手渡されることになっています。最終的には3月の市議会で認められれば4月1日から施行となる予定です。また、来年度には新しい行動計画の策定を目指しており、それに向けて今年度市民アンケートを実施しました。

パブリックコメントやアンケートに寄せられた意見は多岐にわたっていますが、「女性への差別は根強く残っている」との指摘と「女性の意識の甘さ」への指摘が特徴的だと感じました。子育てに関しても、「保育所の整備を望む」声と「母親中心の育児は当然」との声の両方がありました。また、「女性にお茶くみをさせている市役所(担当課である生涯学習課は違います)がえらそうなことを言うな」という意見もありました。意見を交わすうちに検討委員の中に共通の認識が生まれたように、互いに自分の意見と異なる考えを非難しているだけでは解決はないと思います。「共同参画条例」と新しい「ハーモニー」とが、議論のきっかけになれば幸いです。

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