教育委員だより No.49

                                                         平成15年2月12日

                                             小牧市教育委員会  副島孝

「中学生の生活意識と行動」実態調査

青少年の健全育成は、いつの時代も社会の重要な課題です。まして、現在のように大人も含めて社会の規範が揺れ動いている時代には、関心はいっそう大きいものがあります。一般的な印象とは異なり、凶悪な少年犯罪は決して多いわけではありませんが、犯罪件数自体は急増しています。それ以上に、青少年の規範意識が、全体的に低下しているのではないかと危惧されています。これに対して効果的な手だてがあるわけでもなく、苦慮しているというのが全国的な状況です。

小牧市でも状況は全く同様です。多くの方が心配をし、様々な機関が方策を考え、懸命に努力をしていますが、期待どおりの成果をあげているとは言えない状況です。方策を考える前提として、子どもたちの実態を把握していなければなりません。しかし、子どもたちの生活状況や意識を全市的に調査したことはありませんでした。そこで、今年度初めから少年センターに、ぜひ実態調査を実施してほしいとお願いしていました。ずいぶん苦労をしたようですが、各中学校の協力を得て、全中学校の2年生1クラスを抽出し、2学期に調査しました。

すでに全国的な調査としては、内閣府の「青少年の生活と意識に関する基本調査」「情報化社会と青少年」「青少年白書」やベネッセ研究所「中学生は今」など多数あります。それらとの比較ができるもの、道徳や生徒指導、健全育成活動に参考になるものなどの視点から、「家庭生活」「地域社会」「規範意識」について60の設問を調査しました。その調査結果と考察をまとめたものが、報告書としてこのたび完成しました。

報告書から結果の一部を見てみましょう。家庭生活では、「親は善悪のけじめに厳しい」80.4%と「親のしつけが厳しい」54.7%、「家庭内の仕事分担がある」42.3%と「頼まれた手伝いは引き受ける」68.7%など、対比してみると興味深い結果です。地域社会では、「近所の人とあいさつする」72.3%、「近所の人と話をする」28.3%など、数字をどう捉えるかという課題も突きつけられています。規範意識では、「暴走車両を見物してもよい」24.0%、「喫煙してもよい」11.7%、「飲酒してもよい」22.7%、「シンナーや覚せい剤を使用してもよい」2.7%などの結果も出ました。

全国調査なら当然のことと捉えていたことも、小牧市の調査結果となると見方が変わります。法律等で禁じられていることでも、少なからぬ「守らなくても構わない」と考える層がいる実態は、よく知られていました。しかし、話が小牧市のこどもたちのこととなると、大多数は健全だと見過ごすことはできません。「では、どうしたらよいのか」を考えなければなりません。それが、この調査の目的のひとつです。この結果から、何をしたらよいかを具体的に考えざるを得なくなります。

実態調査は、調査項目を検討しながら継続していくことが大切だと思っています。定点観測的に継続することで、変化を見ることができます。また、対応策の効果を判断することもできます。このように多くの可能性を開くことができる実態調査報告書を、各方面で十分に活用していきたいと考えています。小中学校や少年センター補導員、青少年健全育成市民会議委員等に配付しますが、残部もありますので、ご希望の方は生涯学習課までお問い合わせください。

目次へ戻る