教育委員だより No.52

                                                平成15年3月13日

                                                小牧市教育委員会教育長  副島孝

学校の特色づくり

「特色ある学校」という言葉は、教育界には定着しています。しかし本音では、義務教育の学校が特色という形で差異化に走ることが果たして良いことなのか、という疑問を抱いている人も決して少なくありません。この点に関して私は、学校の意欲という視点からとらえています。子どもたちの学ぶ意欲(狭い意味の勉強に限ったことではありません)をいかに引き出すかが課題となっている現在、学校の意欲は絶対的な前提条件です。その学校の意欲の表れが「学校の特色」だと、私はとらえています。

15年度から「新しい学校づくり事業」という、小牧市では試みたことのない学校予算を実施する予定です。これまで学校の予算は公平性を重視して、同一額または規模に応じた額を配当してきました。基本的には正しい予算方式なのですが、画一的で学校がやりたいことがあっても思うようにできないという批判もありました。「新しい学校づくり事業」は、各学校から独自に実施したい事業の予算要望を出してもらい、教育委員会の責任で査定するという方式です。14年度に実施した全小中学校への非常勤講師(どのような活用方法をとるかは学校に任されています)と併せて、これで最低限の学校裁量の条件が整ったのではないかと考えています。

事業によっては年間計画に入れたり、時間割に組み込んだりするなど年度初めから動き出す必要があるため、3月議会で予算案が認められたらという前提で、先に予算要望を含む企画書を出してもらいます。やりたいことがあれば企画書を提出し予算要望することは、世間では当たり前のことですが、学校ではあまり行われてきませんでした。しかし、やりたいことがなかったわけではありません。配当された予算内でやりくりするか、あきらめるかしかなかったのです。これでは特色ある学校づくりを要求することはできません。

せっかくの企画ですから、各学校の提案をプレゼンテーションしてもらうことにしました。プレゼンで各学校の意図していることを説得的に示してもらうことで、予算査定の参考にしたいと考えています。教育委員会事務局の職員だけでなく、教育ビジョン推進委員会の代表や教育委員にも参加してもらいます。各校のプレゼンを見合うことも、各学校にとっては大いに参考になるのではないでしょうか。3月17日(月)午後1時から5時頃まで、パークアリーナ小牧の会議室で行う予定です。学校関係者以外の方からも、ぜひ参加したいとの声をお聞きしています。

企画書・プレゼンを資料に、予算の範囲内で予算査定する予定です。本当にやるべき事業だと認めれば、実施できる予算をつけます。各校に同じような額をつける積もりはありません。本当にやりたい事業ができる予算をつけるのですから、各校同じような金額になるはずはありません。多額だからよい提案とは限りません。公金を使用するのですから、少額で有効な使い方こそ望ましいとも言えます。もちろん各学校は、事業の効果を公表する必要があります。教育委員会は、それを通じて、この「新しい学校づくり事業」の費用対効果を評価されることになります。

実は、ひとつ心配していることがあります。学校の先生方はまじめ(これは褒め言葉でもありますが、発想が硬いことを揶揄する言葉でもあります)に考えることが多いので、新しい事業でこれまで以上に忙しい学校にしてしまうことがないとは言い切れません。うまく予算を使い、今まで負担になっていた仕事を外注することも考えられます。とにかく、いろいろなアイデアで学校が活性化してくれることが最大の願いです。

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