教育委員だより No.54

                                                                  平成15年4月16日

                                                小牧市教育委員会教育長  副島孝

子ども読書の日に寄せて

4月23日は「子ども読書の日」です。初耳だという方もみえるでしょう。平成13年12月に成立した「子どもの読書活動の推進に関する法律」によって定められたので、よく知られていないのも無理ありません。法律のなかには、地方公共団体にも施策の策定と実施が責務とされ、学校、図書館や民間団体との連携の強化や必要な体制の整備が努力義務となっています。市立図書館でも「子ども読書の日」にあわせ、4月23日〜29日に1階視聴覚室で「魔女の展示会」と題して楽しい催しを行います。29日(みどりの日)午後2時〜3時には、魔女のおはなし会・おたのしみ会を開きます。先着順で図書館で受け付けています(電話も可73−9951)。

小牧市も子どもの読書活動には、いっそう力を入れていきたいと考えています。しかし、それは法律ができたからではありません。子どもたちの現状をみると、読書の必要性を感じるからです。子どもたちが生活時間のなかでテレビやテレビゲームに1日平均2.7時間接しているとすると、1年間では中学校での年間全授業時間より多くなります。多くの子どもたちは、もっと多くの時間をテレビやゲームに費やしているのではないでしょうか。ほかにも、ビデオやラジオなどに使う時間もあるでしょう。決して悪いことではありませんが、それらはどうしても受身のメディアです。その点、読書は能動的にならざるを得ないメディアです。

また、子どもたちが自分の心情をきちんと言葉で表現できるかというと、心許ない感じがします。いい例がムカツクです。面白くないことにもいろいろあるはずですが、ムカツクの一語で済ませるのは面白くないことを区別して表現できないからだと言われても仕方ないでしょう。自分の心の状態や感情を整理して認識するためには、言葉を知り、言葉を使って考えを組み立てる必要があります。そのためには、(読書を趣味とする必要はありませんが)最小限の読書は必要ではないでしょうか。

今年から赤ちゃんに絵本をプレゼントし、お父さんやお母さんに赤ちゃんへのお話や読み聞かせの方法を紹介していくブックスタートを始めます。幼稚園や保育園などとも協力し合いながら、読み聞かせなどを充実していきたいと思います。(12学級以上の)学校には司書教諭が置かれるようになったこともあり、読書活動が充実されるはずです。読書を勧める技法として、ブックトークや読書のアニマシオンなど様々な方法が開発されています。しかし、今、全国的に最も注目さえているのが、朝の10分間読書です。

朝の読書の約束は、先生も含めてみんなが一斉に自分の読みたい本を読むことだけです。この朝読書には、広まるだけの理由があるように思います。他人のじゃまにならないよう黙って読むだけと強制が少ない(感想文などと比較すればわかります)、10分間(とは限りませんが、そんなに長くない)という読書が好きでなくても続けられる程度の適度な時間などです。また、朝から学校に落ち着いた雰囲気が生まれる、本を材料にした子供どうしの交流が生まれることなども、副次的な効果でしょう。

私自身は活字中毒(斎藤美奈子は読書依存症と呼んでいます)気味の人間ですから、読書しない人をうらやましいと思うことさえあります。しかし、赤ちゃんから子どもたち(できれば大人)まで、少なくとも現在よりは多少なりとも本に親しむようになることは、今の時代必要なことだと考えています。図書館が中心となり、そのための役割を果たしてくれることを期待しています。

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