教育委員だより No.62

                                                                  平成15年8月1日

                                                小牧市教育委員会教育長  副島孝

八雲町を訪問して

毎年夏に実施している小牧市・八雲町児童学習交流が、本年度も実施されました。今回は21回目を迎えるということもあり、教育委員の行政視察を兼ねて、後半は私たちも一緒に参加させてもらいました。私たちの出発は、くしくも八雲町の高見さんから贈られたポニーが契機となった「ちびっこ動物村」のオープンを市民四季の森で祝った翌日でした。百聞は一見にしかずで、学習交流の現場を見て感じたことが多くありました。まず誰もが感じたのが、八雲町の方々の温かいご配慮です。親身になって子どもたちをお世話いただいていることが、自然に伝わってきます。おかげで子どもたちは、とても小牧ではできない貴重な体験をすることができました。

「自然美術館八雲」が、八雲町のキャッチフレーズです。その名にたがわず、いたるところ見渡す限りの牧場風景、山々、海岸線です。心が洗われるような気持ちになります。こういうところで生活していれば、素直に育つはずだと思わせる環境です。不登校もほとんどいないとお聞きし、納得しました。もちろん、この風景は自然そのままではありません。旧石器時代の遺跡もありますし、縄文時代には大規模な集落があったとのことです。アイヌ民族の時代を経て、明治11年からは尾張藩士の入植が始まります。広大な風景は、先人たちの労苦の結晶でもあります。

八雲町は人口約17,000人。小学校は11校、児童数1127人です。774人の八雲小を除くと、小牧で最も小規模な陶小よりもずっと小さな学校ばかりです。その中で、小牧の48名の子どもたちがお世話になったのですから、大変なご苦労をかけたはずです。スタンプラリー、やまべ釣り、木工クラフトの準備や指導は、ふだん小規模校で教えてみえる先生方や町の方にとっては、大変なことだと想像できます。

子どもたちの実際の活動を見て、気のつくこともありました。一つは交流団の人数です。1校3人ずつの総勢48人は、八雲町では本当に多いと感じました。もう一つは、常に一斉活動だったことです。できればグループに分かれ、自分たちで見てまわったり、調べてまわったりする活動も入れたいと感じました。一斉でも大変なのにグループ活動を組み入れることは、この人数ではかなり困難です。多くの子どもたちに八雲を経験させてあげたいとの思いと、もう少し能動的な活動をさせてあげたいとの思いは、矛盾しているだけに悩みます。

ともあれ、とても普通の旅行では経験できないよい機会になったと思います。引率の先生方、本当にご苦労様でした。そして、八雲町の子どもたち、保護者の方々、ご協力ありがとうございました。1月には八雲町の子どもたちが、小牧を訪問します。八雲で大人の方に、「小牧の冬の空っ風が寒くて」と聞かされ、驚きました。北海道の冬の方が寒いのは事実ですが、実感は違うようです。八雲町の子どもたちは、小牧で何を体感してくれるでしょうか。今から楽しみです。

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