教育委員だより No.68

                                                                  平成15年10月28日

                                                小牧市教育委員会教育長  副島孝

学校訪問で感じること

運動会シーズンが終わり、学校訪問が再開されています。どうしても抜けられない用務がある以外は、私も必ず参加するようにしています。学校訪問というのは、教育委員会の指導主事等が直接学校を訪問し、計画的な教育活動の実施状況や指導の実際を見て指導助言するものです。教育委員も交代で訪問し、教育現場の実情を知るように務めています。一教室あたりの参観時間は僅かなものですが、それでもできるだけ各学校の全ての教室を見てみると、感じることが少なくありません。

さまざまに言われることの多い学校教育ですが、全体的には子どもたちは意欲的に学習していますし、先生方の指導もきちんとしたものです(もちろんなかには、学習への集中に欠けると感じるクラスも少しですがあるのが残念なところですが)。授業を見せてもらって、共通して感じることがあります。それは、授業のリズムやテンポが子どもたちに合っているかということです。ていねいに説明することは大切なことです。しかし、ていねいに説明されたから、理解できるとは限りません。簡潔な説明で問題を解いてみることにより、理解の不十分さを知り、再度補充的な説明を聞く方法も時には有効です。子どもには子ども特有のリズムやテンポがあります。心地よいテンポで学んでいる教室の子どもたちは満足げです。説明が長すぎるため、なかなか作業を始められない子どもたちはイライラして見えます。

また、少人数指導も一般的になってきましたが、本当に効果を発揮しているのか疑問に思える場合も少なくありません。少ない人数の教室で、40人の場合と同じ方法で進められている授業を見ると、人数を減らしたメリットを生かしてないなと感じさせられます。学校訪問時の研究協議でも、そういった観点での議論が足らないように思います。また、少人数指導をやること自体が目的化しており、手段としてどう活用するかという議論が見失われているのではないかと心配になることもあります。

よく日本人は、「目的」と「手段」を区別することが苦手だと言われます(『教育論議を「かみ合わせる」ための35のカギ』岡本薫・明治図書)。この論点から見れば、少人数指導は手段であって目的ではないはずです。少人数指導の一種である習熟度別指導もチームティーチング(TT)も、少人数学級でさえも手段であり、子どもたちが充実した学習を通して力をつけるという目的を達成するための手段のはずです。同じことは、評価に関しても言えるように思います。

学校訪問のやり方は、全国共通しているようで、実はかなり違いがあるようです。小牧市で行っているやり方が、最良の方法だとは思っていません。少しずつ改良を加えていますが、まだまだ工夫の余地は多いと感じています。今年度から、希望する他校の先生方も参加できるようにしましたが、徐々に参加者も増えて授業参観後の研究協議でも意見を出してくれるようになってきました。また、ゲストティーチャーやALT(ネイティブの英語教師)との共同授業、ボランティアの方に手伝ってもらう授業なども参観できるようになってきたのはうれしいことです。普段行っている授業を改善することを目的に実施しているのですから、そのためにどんな学校訪問が役立つのかを今後も検討していきたいと考えています。

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