教育委員だより No.69

                                                                  平成15年11月4日

                                                小牧市教育委員会教育長  副島孝

初めての通学合宿

その時々に必要な人間関係を学べずに大きくなってしまった結果、社会生活が円滑にすすめられない大人が増えていると報告されています。学校生活の中でもさまざまな取組がなされていますが、これに関しては、むしろ学校以外の経験がものを言うようです。子ども会やスポーツクラブなども有効な場ですが、寝食を共にする経験に勝るものはないでしょう。キャンプや野外生活などは、これに当たります。しかし、これはあくまでも特別な生活体験です。そこで、子どもたちが一緒に生活しながら、いつものように学校へ通う「通学合宿」が、全国各地で注目されてきました。問題は、そんな都合のよい施設が、校区内あるいは校区周辺にあるかです。

お寺や地域の会館などを利用して実施している地区も、各地にあります。小牧山の中腹(市役所本庁舎の北東)に、「小牧市青年の家」があります。宿泊用の和室や炊事場、食堂、男女別の浴場、講義室などを備えています。10月26日(日)から29日(水)までの4日間、校区である小牧小学校の3〜6年生36名が、青年の家で初めての通学合宿を行いました。私も入所式に参加しました。最初の取組だということもあり、小牧小やPTA関係以外に、子ども文化・子ども会育成のボランティアグループ「遊人」、生涯学習ボランティアこまき、フレッシュフレンドの方々20人以上にもお手伝いいただきました。できるだけ子どもたちに考えさせ、実行させたいと、大人はできる限り見守るという方針で取り組むこととしました。

合宿生活の夕食は、もちろん自炊です。初日の日曜日の夕食が、勝負です。家で手伝っている手際のよい子、おぼつかない手つきの子、何もしないで見ているだけの子、さまざまです。それでも何とか、カレーライスができあがります。楽しい夕食の後は、片付けと朝食の準備(朝食は学校に間に合わないといけないのでパン、牛乳、果物になりました)、休憩、自主活動、入浴(洗濯)、布団をしいて就寝です。初日には、その一つひとつが予定どおりにはいかないものです。反省と確認をして1日目が終わります(もっとも初日は寝付けなかった子が多かったようです)。

こうして、さまざまな失敗やハプニングを重ねて、4日間が過ぎました。退所式での子どもたちには、やり遂げたという満足感が見えました。子どもたちの中には、もっと長くやりたかったという子もいましたが、下級生の世話という責任のあった6年生にとっては、この辺りがちょうどよかったようです。お客さんとしての旅行ではない、家族と離れての4日間。家庭のありがたさや友達と自分との違いや共通点を、実体験を通じて感じてくれたようです。

反省もあります。初めての実施ということもあり、どうしても大掛かりな準備になってしまいました。また、今回は保護者の付き添いは求めませんでしたが、こういう生活の中での我が子の様子を見ることは貴重な機会になると思います。外部のボランティアに過度に頼るのではなく、交代で見守り役を務めてもらうことも意味があるように思います。子ども会単位や通学団単位での実施も、いいのかもしれません。これだけ環境のいい青年の家も、十分に活用されているとは言えないのが現状です。校区や地域の資源として、活用を考えてみてはいかがですか。

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