教育委員だより No.70

                                                                  平成15年11月20日

                                                小牧市教育委員会 副島孝

公教育のコスト

行政に身を置くと、こんな時期にこんな仕事を、と意外に思うことがあります。例えば、教育委員会の内部では、来年度予算の仕事に、もう夏前から取りかかります。今年度の事業が始まったばかりの時期に来年度の計画を始めるのはおかしい、とも言えますが、こうでもしないと予算編成時期に間に合わないのです。だから、各学校の現場を見ながら工事や修繕や備品の要望を聞く、いわゆるヒヤリングも夏休みに実施しています。つまり、常に事業の評価と次の計画を実施していることになります。人によっては教育にお金の話はそぐわないと思われる方もみえるかもしれませんが、予算を伴わない事業はありえません。そこで今回は、お金の話です。

さて、公教育にはどのくらいのコストをかけているのでしょうか。日本では公立小中学校の児童生徒1人あたり年間約100万円の教育費がかかっている、とよく言われます。どこまでを教育費にカウントするかによっても異なりますが、目安にはなります。小牧市では小中学校に一体どのくらいの予算をかけているかというと、ざっと計算したところ今年度で約28億円でした。28億円の中で、直接子どもと接する人に関しては、市費負担の非常勤講師、ALT(外国人英語教師)、英語活動協力員、外国人児童生徒語学相談員、カウンセラー、心の教室相談員などで、1億6,500万円程になります。関連して、先生方の研修に約1,000万円、副読本類や指導用教科書等に約3,600万円かけています。

次に物や施設に関しては、まず学校用及び教材用備品で7,700万円程です。また、建設工事の有無などの関係上、年によって金額は大きく変わりますが、工事・営繕・修繕費などまとめて約5億円、電気・ガス・水道・下水道代などで約1億9,000万円、コンピュータや校内LAN整備など情報教育関係で約2億5,000万円といったところです。そのうちで、消耗品や備品など実際に各学校に配当されている予算はどのくらいかと言うと、平均小学校で約700万円、中学校で約870万円です。ただし、この中には、電気代、水道代、下水道代など光熱水費と呼ばれるものは含まれていません。この分や急に必要になった修繕などは、教育委員会が直接支払っています。この他に、屋上の防水、トイレ改修、給水管等の取替、運動場の整備など1校平均にすると1,000万円程度の営繕工事を実施しています。ただし、今年度整備した教室の扇風機設置の費用は除いています。

しかし、本当はもっと多額のお金が、小中学校につぎ込まれています。と言っても、市の予算ではありません。国と県が負担している教職員の給料です。ざっと計算してみると、約65億円程度になるでしょう。他の全ての予算よりずっと多いのが人件費、というところに教育の特質があります。長引く不況のなか、国から地方自治体まで、財政状況はとても厳しくなっています。大切な税金、それも保護者だけでなく市民全体から納めていただいている税金を使って、いかに役立つ教育予算を考えるかが、現在の私たちの仕事なのです。

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