教育委員だより No.77

                                                                  平成16年2月10日

                                                教育長 副島孝

学校栄養職員の仕事

先日、愛日地方学校栄養職員研究会から、二つの報告書が送られてきました。「愛日地方児童の食生活等実態調査報告書」と「学校栄養職員研究集録」です。読んでみて、いろいろ感じることがありました。前者は、現在小学校6年生の児童を4年生の時から、生活習慣や食生活、自覚症状に関して毎年継続調査したものです。結果を見ると、学年があがるにつれて、「いつも朝食をとる」児童が減少してきています。また、その傾向は、「7時以降に起きる」児童に多いようです。

「夕食をひとりで食べる」児童も、学年があがるにつれて増えています。夕食時間の調査などを同時に行っていますが、理由は明らかになっていません。通塾の増加などが影響しているのでしょうか。いずれにしても、調査対象の子供たちは、ある程度意図的に指導を受けてきたにもかかわらず、学年があがるにつれて望ましくない食習慣に変化しているようです。特別な指導を受けていない子供たちで調べれば、もっと変化が進んでいるのかもしれません。

後者の研究集録には、学校栄養職員の部会ごとの研究がまとめられています。調理機械や器具に関する研究、安全な食材料に関する研究、食に関する指導の実践、食生活の実態調査(これをまとめたものが前者)、学校給食の衛生に関する研究などです。これは、現在の学校栄養職員の職務である、栄養管理、衛生管理、物資管理、学校給食指導などに対応したものです。いずれも地道で、具体的な研究がなされていることがわかります。

ところで、栄養職員という呼び名は、一般にはなじみがないかもしれませんが、学校や給食センターに配置されている栄養士さんのことです。その学校栄養職員に関して、新しい動きがあります。それは、文科省の「食に関する指導の充実のための取組体制の整備に関する調査協力者会議」が「栄養教諭」制度の創設提言を行い、現在中教審で審議されていることです。確かに、正しい食習慣の指導や偏食や食物アレルギーに関する相談など、教育活動への参加が、栄養職員に求められています。「教諭」資格がないと指導できないとは思いませんが、子供たちへの直接指導も大切なことです。

この研究集録にも、家庭科の授業を栄養職員が、(担任教師と一緒にではなく)単独で実施した記録が載せられています。よく準備をして指導されていることはわかりますが、私は個人的には栄養職員が(同じように、養護教諭やその道の専門家が)ひとりで授業をすることには、かなり否定的です。授業は教える材料があればできるような簡単なものではない、と考えているからです(授業のプロフェッショナルである教師と一緒に行うことは、大賛成なのですが)。しかし、今後学校の中での栄養職員の役割が、ますます重要になることはまちがいありません。「チームとしての学校」が、これからのキーワードになるのではと考えています。

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