教育委員だより No.84

                                                                  平成16年4月10日

                                                教育長 副島孝

「子育てちえ袋」ができました

家庭教育の重要性が声高に叫ばれています。上手な子育てができないどころか、我が子を傷つける親がニュースで報道される時代ですから、それも当然なことです。しかし、わが身を振り返ってみると、本当に自信を持って子育てができたと言える人は少ないでしょう。数学者の森毅さんは、自分自身の子育てについて聞かれると、「子育ては原理的に失敗するものよ」と答えるそうです。「モノづくりでは、計画をたてて達成できれば、成功と呼ぶ。ところが、子育ては計画どおりに進行したとしたら、最大の失敗である。親の思いどおりになったら、子は自立しなかった証拠だからだ」というのが、その理由です(『年をとるのが愉しくなる本』ベスト新書)。

うまい答え方だなあと感心しますが、だからといって課題に手をこまねいているわけにもいきません。子育てには、この方法なら絶対うまくいくというものはありませんが、経験則として参考にできるものは存在します。そんな先人の知恵をまとめたら、きっと若いお父さんやお母さんには参考になるだろうと考え、一年間かけて取り組んできました。教育委員会が予算を確保し、教育委員会だけでなく保健センターや福祉部の児童課、保育園や幼稚園それに学校の先生方、おじいちゃんやおばあちゃん世代に現役のお母さん方など、さまざまな立場の多くの方々からなる編集委員会のお力で、この度完成しました。文章やレイアウトはもちろん、イラストまで全部手作りの親しみやすい、すばらしい冊子になりました。

保健センターでの健診時に、お配りするのが基本ですが、児童館や子育て支援センター、出生届の窓口である市役所市民課や各市民センターなどにも置いて希望者にお配りする予定です。もちろん生涯学習課にも置きます。きっと子育てのヒントになることが見つかると思います。A5判29ページの小冊子ですが、カラフルでとても読みやすいものです。この冊子をもとに、子育てについて考えてみたり、議論したりするきっかけにしていただくことが目的です。トイレトレーニングや大切な生活習慣など、具体的なアドバイスも載っています。ブックスタートや相談窓口の紹介も参考になるはずです。

もうひとつ私の立場から言うと、行政の縦割りを越えていろいろな部署が協力し合って完成したことが、とてもうれしいのです。市民の方のご協力も、ありがたいことでした。全部手作りで完成できたため、はじめに予想していたよりもずいぶんたくさんの部数を刷ることができました。現在は直接子育てに携わっていない方も、ご遠慮なく手にとっていただきたいと考えています。

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