教育委員だより No.85

                                                                  平成16年4月20日

                                                教育長 副島孝

声かけワッペン

小牧市では最近、空き巣や車上ねらいなどの犯罪が急増しています。小牧市のホームページには、「市内の犯罪情報」が載っています。15日以内に起きた犯罪が、種類別や小学校区別に表示されています。不審者情報などもあります。有益な情報ではありますが、あまりの件数の多さに憂鬱になるほどです。高速道路のインターチェンジがある地域に犯罪件数が急増しているのは、全国的な状況のようです。

一方、子どもたちにとって安全であるべき遊び場や通学路、なかには学校さえもが危険な目に会う恐れがある場所になりかねない状況もあります。こんなときですから、危ないから知らない人に近寄らないようにという注意も、必要なことかもしれません。しかし、周りの大人を自分に危険を及ぼす存在と見なすことは、子どもたちの心に親切とか協力という気持ちを育てるうえで、マイナス面が多すぎるように思います。市民の方から、道で子どもたちに声をかけたところ、不審な目で見られ逃げ去られてしまいショックを受けた、との声も聞きました。不審者に注意しようとの指導をした結果、知らない人におびえ、カウンセリングを受けなければならなくなった子がいる、というような話も聞きました。こんな状況のままでよいのかと、考え込んでしまいます。

道で出会ったら、「おはよう」とか「こんにちは」と気軽に声をかけ合えるようなところから、地域の結びつきも始まるのではないでしょうか。そんな活動を始めるきっかけとして、いわば「声かけワッペン」を、小牧市青少年健全育成市民会議が作成しました。目印ですから、少し離れたところからもよく分かる大きさで、しかも気軽につけられるデザインが必要です。市の花「つつじ」のデザイン(「広報こまき」の表紙に載っているもの)を借用しました。夜間に散歩するので、もっと夜でも目立つようにとか、小さい物の方が付けやすいなど、さまざまなご意見もいただきましたが、今回は最大公約数的な物になりました。散歩や買い物などで外出する際ワッペンを着用すれば、大人同士や子どもたちと挨拶が交わせます。通学路を歩いていただければ、安全の確保にも役立ちます。

せっかく挨拶しても、挨拶が返ってこないこともあるかもしれません。挨拶の挨は、「おしひらく」という意味で、拶は「せまる」という意味だと聞きました。つまり、自分のほうからやるもので、相手が返してくれなかったといって非難するのは間違いだそうです。子どもたちも、慣れてくれば進んで挨拶するようになるはずです。各種の会合などで、協力をお願いしながら配付を始めています。啓発用物品(街頭で配るティッシュなど)の予算を使い、2000個ほど作成しました。まずは、実際に協力していただける方に限定してお配りすることになります。そのうえで、多くの人が着用していただくようになれば、ずいぶん子どもたちを取り巻く環境も、さらには住民同士の関係も変わってくると期待しています。

目次へ戻る