教育委員だより No.92

                                                                  平成16年7月9日

                                                教育長 副島孝

外国籍の子どもたちへの教育

ブックスタート事業も2年目を迎え、順調にすすんでいます。先日、NPOブックスタート(ブックスタート支援センターという名前から、この2月に変更されました)のホームページに、地域の活動紹介として「母国語が異なる方へのブックスタート」と題する、小牧市のブックスタートが紹介されました。単に赤ちゃんに絵本を贈るだけという形骸化した活動にならないようにしなければならないと思うと同時に、小牧市は外国籍の方が多い都市なのだと、改めて感じました。

現在小牧市には15万市民のうち、外国籍の方が7243人みえます。小牧市立の小中学校に在籍している外国籍の児童生徒は340人で、そのうち日本語の指導が必要な児童生徒が259人います。これらの子どもたちに対しては、日本語指導教員が16人加配されています。その他に、ポルトガル語とスペイン語の語学相談員が5人市費で配置され、日本語・母国語の指導や悩み事の相談などにあたっています。

今や国内だけで生活する時代ではなくなっていることは、日本企業がこれだけ海外進出していることを思い浮かべても当然のことだとわかります。海外に住む日本人の子どもたちも、日本人学校がある都市なら国内と同じ教育を受けられますが、現地の学校で学んでいる子どもたちも少なくありません。現地の子どもたちと一緒に学び、現地の言葉を覚えることも、すばらしい経験です。こうして子どもたちは、その国へのイメージをつくり、その国に対する感情を形成していくことになります。その意味で外国人児童生徒への教育は、将来の国際社会やその中での日本のありようを決定する重要な部分を担っているともいえます。

以前の日本は、在日コリアン(朝鮮・韓国人)を除くと外国籍の人の少ない国でした。しかし、これからはもっと増加するのは間違いないでしょう。外国人受入れの先進国アメリカでも、外国人の子どもたちの教育には試行錯誤をしてきたようです。州によって異なるのかもしれませんが、外国人の子どもがいる学校にはESL担当の先生が配置されています。ESLとは、第2言語としての英語という意味です。外国人の子どもたちに母国語で教育することは難しいが、第2外国語としての英語の習得には手助けしようという制度です。ひょっとすると日本の日本語指導教員はこれをお手本にしているのかしれません。

あるアメリカ生活経験者によると、子どもが入学した学校のESL担当の先生が非常に知的で熱心な人で、いっぺんにその学校に好印象をもったそうです。直接担当する先生の印象は、決定的に重要です。しかし、それだけがすべてではありません。次の時代の国際社会や日本に対するイメージは、子ども同士や一般の市民同士の日常生活での交流によっても形づくられていくものですから。

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