教育委員だより No.95

                                                                  平成16年8月12日

                                                教育長 副島孝

夏は教員研修の季節

暑い日が続きます。夏休みを短くして、気候のよい10月に一週間ほどの休みをとることの多い2学期制については、この季節にこそ、その妥当性を議論してほしいと思っています。それほど教室での勉強には向いていない季節です。しかし、学校の先生たちにとって、この季節は実は自分たちの勉強のかきいれどきです。ふだんなかなか思うに任せない研究会への参加や、読まなければと思っていた参考文献の読書ができるのも、この時期なればこそです。学校ごとに、自校の課題解決に向けての研修も行われています。

夏休みとはいっても、部活動の指導、プールでの水泳指導、この時期を利用した学習につまずいている子の指導など、さまざまな活動が行われています。当然交代で本来の夏休みも、とっていただかなくてはなりません。ずいぶんストレスのたまる仕事ですので、この機会に十分リフレッシュしてもらわなければ、とても充実した教育活動など望めません。しかし、研修で指導の方向性を見つけたり、試みるに値する指導法を身につけたりすることも、精神的にはリフレッシュになると考えられます。

教育委員会でもこの時期、先生方のニーズに沿った研修講座を用意しています。1年前から講師を依頼したり(人気の高い講師は直前に依頼することはまず不可能)、聞くだけでなく体験型にするなど研修講座の持ち方を考えたりします。最近希望の多いものは、発達障害のある子どもへの理解と対処法です。それだけに質の高い講師は引っ張りだこですが、よい講師をお願いすることができました。読み語り・ことばあそびの講座も人気がありました。今年度から小中学校の先生だけでなく、幼稚園(もちろん私立も含めて)や保育園の先生、高等学校の先生、療育施設の先生方にも呼びかけ、参加していただきました。

ほかにも、授業に役立つ実技講座、人間関係づくりのスキル体験講座、ポルトガル語と外国人児童生徒理解講座、情報教育コンピュータ関連実技講座、不登校の予防についての講演など、数えてみると延べ33ほどの研修講座が用意されました。小中学校のスポーツ大会や学校での行事の合間をぬって行う関係上、同じ日程で行わざるを得ない講座もあり、残念な思いをした先生も少なくなかったようです。

もちろん、これらの研修講座は、きっかけづくりにすぎません。わずか半日ほど話を聞いたり、体験したりすることで、指導力がつくなどということは絶対にあり得ません。必要性を認識したら、納得が確信に至るまで文献や資料を読み込み、自分の学校、自分の教室に取り入れる具体的な方策を考えたうえで、実践によって練り上げていくことが必要です。そうした経過を経て初めて、一つの方法を自分のものにすることができます。まさに、「自ら学ぶ者だけが教えられる」です。

お盆休みが済んだら、子どもたちが宿題の仕上げにとりかかるように、先生方もそれぞれのこの夏の目標の仕上げにとりかかります。私たちも、さらに役立つ研修メニューや方法を考え、予算要望の準備にとりかかります。次はこんなことをやってみたい、と工夫することこそ、いちばん楽しいことです。じっくり考え、じっくり準備のできる夏こそ、案外1年中で最も充実した季節なのかもしれません。

目次へ戻る