教育委員だより No.101

                                                                  平成16年10月15日

                                                教育長 副島孝

頭の痛い台風と給食

今年は台風の当たり年で、何度も暴風警報が出ました。風が強くならないうちに急いで児童生徒を下校させる事態も、何度か起きました。台風による被害や事故を心配するのは当然ですが、私どもにとって台風のときに頭の痛い問題は、給食の扱いです。6月21日(月)の台風6号の際には、出来上がった給食を食べさせることなく児童生徒を下校させました。このときには、給食中止は前の週の午前中に決定しなければ家庭への連絡ができない状況でした。この地方には火曜日に来るかどうかという予報であったため、中止にしてありませんでした。また、警報が10時頃に出たため、すでにほぼ調理し終わっていた(午後には警報が出ると予想し、いつもより早めに調理に取りかかっていました)給食は大量のゴミとなってしまいました。

このときの一食分の費用をどう処理するかで、その後ずいぶん議論がなされました。食べなかったのだから、当然市の費用で負担するという考えがあります。多くの人は、こう考えるでしょう。私たちもそれが当然だと考えていました。しかし一方で、予定していた給食なのだから公金による負担はおかしいとして、保護者負担にしている自治体もあるのです。はじめは考え方が理解できませんでしたが、よく聞いてみると明確な論理があることがわかりました。

その論理の基礎には、現在行われている給食費用の保護者負担は、ほんの一部の実際に食べる材料代のみにすぎず、その他の施設設備・光熱水費・人件費などの費用はすべて市の予算でまかなっている、という認識があります。そのうえに中止した給食費(つまり材料費)を市が負担するということは、保護者以外の市民の税金をさらに投入することを意味します(このあたりは、金融機関への公的資金投入が世論によって非難されたことを思い出させます)。そんな税金による補填を、市民は許さないだろうという考え方です。

結局、小牧市では、今回の一食分の給食費(つまり材料費)は市で補填するが、二度とこういう事態が起きないよう対応するということで決着しました。こうなると、できることは空振りに終わることがあっても、中止の可能性のあるときには事前に給食を中止するしか方法がありません。つまりは、弁当に切り替える方法です。ただ、弁当にすることを安易に早く決めるようにすると中止の回数が増加してしまうので、結局は材料を無駄にせず、しかも弁当の連絡が可能なギリギリの時間まで決定が遅れる結果となります。

実は一部の自治体では、非常食やレトルト食品を用意して、危険性のあるときには通常の給食とは切り替えているところもあります。しかし、それでもなお一度調理した後では二度と使えず、無駄になることも起こります。また、食べさせることを優先すれば、下校が遅れて危険な中を帰したと非難を受けることにもなります。本当に台風時の給食は、頭の痛い問題です。前日の連絡は非常識だとのご意見もお聞きしますが、上のような事情があるのです。台風のおそれがある場合には弁当になるかもしれないという前提で準備もしていただくよう、各家庭でのご協力をよろしくお願いいたします。

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