教育委員だより No.104

                                                                  平成16年11月18日

                                                教育長 副島孝

生まれ変わった味中図書室

読書の重要性が強調されるわりには、学校図書館が子供たちにとって、出かけて本を読んだり借りたりしたくなる場所になっているかには疑問が残ります。特に中学校の図書館は。そんな中学校図書館の現状を何とかしたいという学校の声に答えて立ち上がったのが、味岡中PTAをはじめとする地域の方々です。この大改造ビフォーアフターは、味岡中学校ホームページ「図書室手作り改造プロジェクト」で拝見していました。そして学校訪問の折に、実際にこの目で確かめることができました。

図書館の改装というと、赤木かん子さんが有名です(ホームページもユニークで、人柄が出ているような気がします)。全国の公共図書館や学校図書館などの改装を、独自の方法で手がけてみえます。小牧市のどこかの学校でもお願いできたら、と思っていました。まさか、PTAなどの力で独自に実施できるとは考えていませんでした。しかし、確かに図書館は生まれ変わりました。準備室との仕切りをなくし広がった部屋、ペンキで塗り替えられた書棚、明るく雰囲気を変えたレースのカーテン、牛乳パックを利用した手作りの椅子。中学校の図書館にありがちな、暗いイメージを一新しています。これなら立ち寄ってみたいと思うはずです。

区長さんをはじめとする地域の方々やPTA有志の方々のお骨折りで、このような改造ができたことを感謝するとともに、申し訳ない気持ちも抱きます。なかには当然公費で行うべきもので、PTAにやらせるなどけしからんという意見の方もみえると思います。図書館には設備の問題だけでなく、司書教諭の問題、蔵書数の増加の問題など、課題が山積です。潤沢な予算をつけて、すべての学校の図書館を直ちに公費で充実することが本来でしょうが、現在の財政状況で本当に可能なことでしょうか。

あれもこれも、何もかも公費で対応できればいいのでしょうが、限られた財源のなかで教育予算にも優先順位をつけなければなりません。可能な部分は自分たちの手で、という姿勢には頭が下がります(だからと言って、そういう姿勢に甘えるつもりはありませんが)。きっと活用面にも、よい影響を与えることでしょう。また、この大改造の陰には、今年度からはじまった学校地域コーディネーターのご尽力があったことも忘れられません。

読書の効用は以前から言われていましたが、現実の学校生活の中で実証されるようになったのは、そんなに以前のことではありません。現在多くの学校で朝の読書が進められ、落ち着いた一日のスタートが切られるようになってきました。また、家庭での学習時間と読書時間の和が、テレビやゲームに費やす時間よりも多くなければ、学年にふさわしい学力の獲得は難しいとも言われています。現状を嘆くだけでなく、まず可能なことにトライしてみる姿勢に学びたいと痛感しました。もちろん教育委員会でも市立図書館の活動の一環として、学校図書館などへの新たな支援事業を進めていきたいと考えています。

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