教育委員だより No.113

                                                                  平成17年2月28日

                                                教育長 副島孝

100万語英語多読報告1

100万語英語多読」が初耳の方も多いことでしょう。2004年7月号の『駒来』(小牧市文芸協会が30年以上毎月発行している郷土総合文芸誌です)の「乱読日録」と題する読後感想に書いた『快読100万語! ペーパーバックへの途』(酒井邦秀・ちくま学芸文庫)がきっかけでした。もともと英語にはコンプレックスがあったので、それまでもいろいろな方法を試したことがあります。しかし、どれも長続きしませんでした。結局、英語はかけた時間だけ力がつくが(逆に言えば時間をかけずに英語の力はつかない)、努力を続けられる目的か方法が必要だという結論を得ました。

多読法にはユニークな3原則、@辞書は引かない A分からないところはとばす Bつまらなければやめる、があります。つまり、分からない単語や文章があったら飛ばして、とにかくどんどん読み進めなさい、それでその本がつまらなくなったら、思い切って別の本に替えなさい、という方法です。こうして易しい本から徐々に段階を上げていけば、長くて難しいものも読めるようになりますよ、というわけです。つまり、文法や単語を重視して短い文章を詳しく学ぶ学校英語とは、全く違う方法なのです。

結論から言うと、初めてから10か月経った現在124冊目を読んでおり、語数は95万語を超えています。最近は1日で1万語近くも珍しくないので、1週間ほどで100万語には到達するでしょう。いろいろなことに手を出すのだが長続きしない、という自分自身の欠点をよく知っているので、不思議なほどです。何を読んでいるのかというと、Graded Readers と呼ばれるPenguin , Oxford , Cambridgeなどの段階別に使用単語の数を制限して書かれている英語の本(冊子と言ったほうが実態に近い)です。200字レベルの十数ページの段階からスタートし、現在は千数百字レベルの50〜60ページのものを読んでいます。

最初はSSS英語学習法研究会のホームページを参考にしながら、丸善で数冊ずつ買ったり、セットものを購入したりしていました。『めざせ100万語! 読書記録手帳』を購入し、読んだ本や語数の記入も始めました。そんな折、図書館の人に図書館の洋書コーナーの利用状況をたずねたところ、非常に少ない(ただしゼロではない)ことが分かりました。そこで、実は英語多読をしていると話したら、洋書の利用を高めるためにも多読用のGraded Readers を入れてみようかという話になりました。それからは主に図書館を利用しています。最近は同好の士もいるようで、読みたい本の取り合いという状況も生まれています。

なぜ、こんなに英語多読が続いたのか考えてみると、ます薄い本でも英語の本を読み終えることに快感があることです。次に、語数制限のある本でも意外におもしろいことです。Oxford Bookworm Stage 2 (700語レベル)にも、『The Piano』のような名作があります。日本語では途中で投げ出してしまった『Pride and Prejudice 高慢と偏見』も読み通すことができました(もちろん原本に比べると格段に短いこともあります)。むしろ、「つまらなければやめる」を守ることができず、読み進むうちにおもしろくなってきたことが多いのです。

ここで誤解を解いておかなければなりませんが、私の英語の実力はほとんど変わっていないと思います。唯一の変化は、英文を読むことに抵抗感がなくなってきたことくらいです。海外で買ってきた児童書を先日読んでみましたが、分からない単語だらけで途中でやめてしまいました。そのくらい語数制限をした本は読みやすいのです。今は、ほとんど楽しみで読んでいます。おかげで日本語の本を読む時間が減って、これはこれで大弱りですが。

英語多読をしているうちに気づいたことが、いくつかあります。久しぶりに学ぶ立場になったからだと思います。次回はそれを書くことにします。

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