教育委員だより No.117

                                                                  平成17年4月4日

                                                教育長 副島孝

グランドデザインの試み

教育委員会では、毎年基本方針を作成しています。本年度は、こういう考え方で事業を進めるということの表明です。しかし、毎年新事業を付け加えてきたため、かなりの分量になってしまいました。その結果、「こう考え、こうしたい」という基本が不明確になってきました。そこで、全体像がわかるように図示してみようと、事務局内部の会議で提案しました。学校教育の世界ではグランドデザインという名で、最近一般的になってきた手法です。

事業が膨大になってくると、個々の取組みが全体の中でどういう意味を持っているか、どういう位置づけになっているかが、不明確になりがちです。これまでやってきたことだからと、特に意義を考えないまま実施していることは、けして少なくありません。また、全体の中でどういう位置づけになっているのかが明確でないために、個々の事業の優先順位がはっきりしない、ときには間違っている可能性すらあります。つまり、本来最も中心に置かれなければならない仕事は二の次で、余力があれば取り組みたいことが優先される恐れさえあるということです。

全体の中に位置づけされているからこそ、本年度重点的に取り組むべきことが明確になるというのが本当でしょう。だから、校長会などでも、一度自分の学校がめざして取り組んでいることを図示してみませんか、と話したことがあります。ひとには言うが自分ではやらない、というのは恥ずかしいことですので、教育委員会でも作成してみました。しかし、これがなかなか難物でした。まず、各課が取り組んでいる事業のグループ分けが必要です。次に、グループ相互の関係を明確にする必要があります。意図がどこまで実現できたか不満もありますが、なんとかまとめたものが「図解基本方針(子ども育成編)」です。

作成の過程で、気づいたことがたくさんありました。大事な事業なのですが、位置づけのはっきりしない事業がありました(グループ分けがよかったのかどうか、とも関係します)。今後充実させなければならない取組みが、かなりはっきりしてきました(項目として掲げた内容ごとに、いくつかの具体的な取組みが用意されていなければなりません)。個々の文言についても、「学びの原則を踏まえた」など、こなれない言葉を意図的にあえて使用して、議論を期待したところもあります。

各学校では、毎年「学校経営案」という学校全体の運営計画を作成します。しかし、内容が羅列的で重点化されていない、そのため活用されていないという傾向がありました。強制するわけではありませんが、ぜひ一度各学校で図示作業に取り組むことを勧めます。得ることが多いはずです。しかし、簡単ではありません。実は私たちも、「子ども育成編」は何とか作成したのですが、「市民向け生涯学習編」は未完成なのです。小牧市の生涯学習のめざすものコンセンサスが、短期間に形成できなかったのです(文章としての基本構想はありますが、図示しきれないのです)。1年かけてでもよいから、ぜひ完成させようと思っています。作成できたときには、小牧市の生涯学習のめざす方向性が明確になっているはずです。

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