教育委員だより No.120

                                                                  平成17年5月16日

                                                教育長 副島孝

1000人の合唱による第九演奏会を終えて

市制50周年記念事業の一環として、昨日スポーツ公園総合体育館パークアリーナ小牧で、ベートーヴェンの第九演奏会が行われました。体育館という会場ではありますが、音響には配慮を施して建設された施設です。演奏は秋山和慶指揮の小牧市交響楽団、ソリストは大倉由紀枝、寺谷千枝子、望月哲也、大澤建という方々とくれば、それだけですばらしい演奏会だと想像できます。しかし、今回の主役は、なんと言っても10歳から76歳までの1000人の市民合唱団でした。

1000人のうち約450人は、応募による市民です。各地で行われる第九と同じく、小牧市だけでなく近隣の市町からの参加者も少なくありません。あとの約550人は市内の中学生です。中学生は練習の都合も考慮して、学年単位の参加としました。市内の中学校に参加をお願いした結果、小牧中2年生、北里中2年生、応時中3年生(学年はいずれも現時点)の参加が決まりました(個人で応募した小中学生もありました)。

この第九演奏会は、実行委員会が運営する方式です。第1回の運営委員会は昨年の6月1日に開催され、その後4回の会合がもたれています。そして、市民合唱団の結団式は10月8日、その日から毎週金曜日の夜、練習を積み重ねました。参加中学校は11月から練習に入り、3月24日終了式の午後、一度だけ三校合同練習を行いました。全員一緒の練習は、演奏会前日と当日午前のみという日程です。

個人参加の市民合唱団については、何も心配はしていませんでしたが、中学生のほうは本当に歌えるようになるのか、不安があったことは事実です。学校参加で、個人の応募ではありません。まして、第九の合唱は経験のある方はよくご存知のように、かなり難しい楽曲です。しかも、ドイツ語で歌います。三校の先生方にはずいぶんご苦労をおかけしました。しかし、最大の功労者は、吉川朗先生をはじめとする合唱パート指導やピアノ伴奏の先生方だと考えています。

毎週の市民合唱団の指導に加えて、中学校への訪問指導もしていただきました。私が見学させていただいたのは僅かですが、吉川先生の指導の見事さは際立っていました。何よりもみんなをその気にさせる言葉かけ、テンポのよい指導は、中学校の先生方にも参考になったと思います。丁寧な指導という言葉とは裏腹に、子どものもつリズムとのずれが指摘されることがありますが、こういうテンポなら子どもたちも集中できるのだという見本を示していただきました。

参加の中学生にとっても、印象深い経験になったと思います。1900人の観客の前で、プロのオーケストラの演奏で歌うという感動を体験するためには、これだけの準備と多くの人々の協力が必要だということを学んでもらえたのではないでしょうか。各地で行われる第九の市民合唱も、参加者が固定されがちという声も聞きます。今回の試みで、これまで経験のなかった多くの市民や中学生が参加したことは、きっと今後につながるものと期待しています。

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