教育委員だより No.122

                                                                  平成17年6月13日

                                                教育長 副島孝

長岡市・小千谷市を訪問して

先月末から今月初めにかけて、新潟県の長岡市と小千谷市に、学校の地震被害の視察に出かけました。同行は、教委庶務課と建築課の建築士の資格を持つ係長2人です。実際的な学校の地震対策に役立てるためには、現地で様子をうかがう必要があると考え、ご迷惑は承知の上でのことです。現地を訪れ、報道ではわからないことが多くあることに気づきました。

最も驚いたのは、耐震度と被害とは必ずしも比例しない、むしろ、地盤の影響のほうが大きいことです。地盤についても、被害の結果から言えることで、同じ学校である校舎は改築、別の校舎は改修と被害が異なるなど、前もって知ることは難しいと感じました。昭和30年代に建築された校舎が最も被害が少なく、改築(建て直し)しなければならない校舎が3年前に新設された学校で出るなど、驚くような結果もありました。

しかし、全体的には鉄筋の校舎は強いものだと感じました。エキスパンション(校舎と校舎の継ぎ目)部分は、当然かなりコンクリートの被害も出ていましたが、震度6強の揺れを数回受けたにもかかわらず、倒壊に近いような状況はありませんでした。とは言っても、柱や梁にせん断(横断するような)ひび割れができた校舎は、改築あるいは改修(補強工事後に使用)と認定され、立ち入り禁止となっていました。そのような学校では、他の学校に間借りしたり、プレハブの校舎を建てるなどの措置がとられていました。随分長期間(数年間にも及ぶ可能性もあります)不便な学校生活を続けなければならないことを考えると、耐震補強は進めていかなければならないと感じました。

ガラスや蛍光灯などの被害が意外に少ないのも、驚きでした。ガラスは、鉄骨造りの体育館に集中していました。校舎ではひび割れ程度とのことでした(小牧市では防音の関係上、はめ殺しの窓については注意しなければなりません)。また、吊り下げ式の蛍光灯以外には被害がなかったとのことです。むしろ、戸棚やロッカーなどの倒壊や中の物の飛び出しのほうが、危険だとのことでした。理科室や家庭科室および準備室などの、ガラス戸には飛散防止フィルムなどで対応することが必要です。

体育館こそ洋式トイレが必要だとの話(老人が和式トイレで立てなくなったり、プールの水をバケツで汲んで流すため)や、被災者自身がテレビ報道を見れないために不満やストレスがたまる話、全市的に停電の場合はよいが、自分の地区だけの停電で暗いのは心理的に悪影響が大きい話など、経験者でなければわからないお話が多くあり、参考になりました。

未だ市役所に罹災証明書の発行コーナーが設置されているという状況のなか、また、合併直後のお忙しいなか、親切に対応いただいた両市の教育委員会の皆様に心よりお礼申し上げます。これを受けて、より現実的な地震対策をつくらなければならないと改めて感じました。

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