教育委員だより No.124

                                                                  平成17年7月6日

                                                教育長 副島孝

幼年期教育推進会議での議論

小1プロブレムという言葉は、今や広く知られた言葉となっています。幼稚園や保育園から小学校へ入学した子どもたちが、なかなか学校生活に適応できないことは社会問題ともなっています。愛知県でも小学校1年生は35人学級で編制されるようになりましたが、小1プロブレムがなくなったという声は聞かれません。相変わらず、なかなか学校生活にとけ込めずにいる子どものことが話題になります。

実はこういう事態への対処のひとつとして、小牧市では5年前から幼年期教育推進会議が設けられています。幼稚園・保育園・小学校・相談機関の代表・児童課などに加え、学識経験者として教育委員の横井先生にも加わっていただいています。事務局は学校教育課が務めています。任務としては、相互の連携を強化しながら、効果的な幼年期の教育施策を協議することです。

推進会議の協議を通じて、幼年期教育講演会の実施・第一幼稚園の公開保育やグループ協議による意見交換・教育委員会実施の研修会への幼保保育者の参加・各小中と各幼保の交流促進など、多くの成果が生み出されてきました。しかし、本音を出し合う本当の意味での連携・交流は、まだまだ道は遠いという感を強く抱いていました。

先日の会議では、「子ども同士の生活科や行事などを通した交流はなされているが、教師・保育者同士の人間関係づくりや突っ込んだ話し合いにはほとんど至っていないのでは」という発言をきっかけに、議論が沸騰しました。幼保側から、「学校生活にスムーズに移行できにくい子への配慮がもっとほしい」「特に言葉を大切にしてほしい。子どもにとっては強すぎる言葉が多い」「学校は嫌いとの声もある」などの意見が出され、学校側からは、「新しい環境に抵抗があるのは誰にとっても当然。それに同調するような言動は克服のためには問題」「学校での生活リズム形成のために幼保でも移行の指導が必要」などの反論がありました。

それに対し、「幼保は小学校の準備機関(期間)ではない。行動のけじめとチャイムで動くこととを混同すべきではない」などの助言も出されました。この種の議論は、実は小中間にもあります。「小学校は何を教えてきたんだ」「中学校はどういう指導をしているんだ」という議論を経て、はじめて小中が腹を割って子どもの問題に取り組めるようになります。同じことが、やっと幼保小の間で行われる土壌ができたと実感しました。

まだまだ小学校の先生は、入学前の幼保での子どもたちの生活を理解していません。同じことは幼保の保育者にも言えることです。段差は当然ありますが、それを子どもたち自身が乗り越えることで大きく成長します。そのためには互いに何をしなければならないか、何をすべきではないのかを議論し合うことが、今必要とされています。互いに参観し合い、話し合うことは、いくら忙しいといってもできないことではありません。そんな取組みが、特に各小学校で現在必要とされているように思います。そのためにも、まずは幼保小の指導者が一緒になれる講演会や公開保育への参加から始めてみませんか。

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