教育委員だより No.126

                                                                  平成17年7月28日

                                                教育長 副島孝

教員研修会に参加して

夏休みは、先生方にとっては貴重な研修の機会であることは言うまでもありません。それについては、かつて書いたこともあります。今年も教育委員会では、数多くの研修会を計画しています。そのうちの一つに、私も参加しました。それは“学び合う学び”がテーマの研修会でした。会場は机がコの字型に配置され、話を聞くだけの研修ではないぞという雰囲気が漂っていました。

この研修会に参加したのは、講師の石井順治先生にお目にかかりたかったからです。実践者・指導者として高名な石井先生には、書籍を通じて教えを受けていましたので楽しみにしていました。想像していたより柔らかい感じの石井先生は、それでも開口一番「講演を百回聞いても授業は変わりません」とはっきり告げられました。「講演ではない形の研修会にできるのなら、講師を引き受けます」と言われていると、指導主事から聞いていました。

研修会は、授業のビデオを見ながら、子どもの姿を通して授業を考える形で進められました。応時中3年生の国語の授業をもとに、参加者の意見を求めながら、“学び合う学び”の観点から授業分析をリードされました。一人ひとりの考えを持つ段階、4人までのグループでのまとめをしない話し合い、コの字型でのクラス全体の話し合いなど、市内のかなり多くの学校で一般的になっているシステムを、ビデオの子どもの事実を通じて説得的に解説していただきました。

子どもの姿を見る・子どもの発言を聴くことが授業の基本であることが、子どもの姿を追ったビデオを視聴することによって改めて実感できました。今後の授業研究に積極的に取り入れたい手法だと思いました。また、佐藤学氏の言われるジャンプの概念を、例を挙げて説明されたことも印象に残りました。個人では届かないが、グループなら届ける課題がジャンプだと。はじめのうちは活発だが、だんだんと落ち込んでいく授業の対極にある、授業の後半に子どもたちが必死になって取り組むジャンプは、グループこそがふさわしいと。

年々、バラエティに富んだ内容や質の高い講師が指導してくださるようになっていることは、教育委員会(学校教育課)の企画力の向上を示しているように感じています。今年度は全中卓球大会の関係で、日程を広げることはできませんでしたが、この後も、私自身が受けてみたい講座も用意されていて楽しみです。もちろん、研修会に出るだけでは何も変わりません。しかし、変わるきっかけとなる機会を提供するのが、教育委員会のまずは大切な仕事だと思っています。

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