教育委員だより No.130

                                                                  平成17914

                                                教育長 副島孝

小牧山に新たな意味づけが

最近小牧市を訪れた人を、小牧山に案内することが増えました。もちろん麓の旧小牧中学校跡地の史跡公園整備が完了したことが大きいのですが、それだけではありません。実は昨年度から3年計画で、本格的な調査の前段階として、小牧山の主郭(中腹から上の部分)地区の試掘を行っています。その結果、多くの新事実が明らかになってきたからなのです。

これまでの定説を覆すような発見もありました。たとえば主郭地区には、土塁(土盛りした分)と空堀(水はないが掘り下げた部分)がありますが、従来は掘り下げた土を盛って土塁を造っただけではないかと思われていました。しかし土塁部分にトレンチ(試掘用の溝)を掘ったところ、地下から積み石が発見されました。これは、明らかに永禄期(織田信長の築城時期)の遺構だと思われます。

この事実は、小牧山城はこれまで言われてきたような仮設的な築城でなく、信長による本格的な築城であったことを物語っています。天守部分の本格的な石垣も確認されました。史跡公園部分の武将の屋敷跡や、小牧山の南側に広がる本格的な城下町の町割りとあわせると、信長の天下取りの過程に果たした小牧山城と城下町の歴史的意義がうかがえます。

その信長の館跡と考えられている曲輪(現在は芝生広場)で、9月17日()にお月見祭りにあわせて午後6時開演で薪能が行われます。能楽協会名古屋支部の、プロの皆さん方による公演です。小牧市では初めての企画で、楽しみにしている方も多いと聞いています(雨天時には市民会館に変更になります)。演目は、「小督(こごう)」と「土蜘蛛(つちぐも)」で、間に狂言「萩大名(はぎだいみょう)」が入ります。特に「土蜘蛛」はわかりやすく、蜘蛛の糸を次々と繰り出す、視覚的にも楽しい演目です。

また、翌日の18日()には、11時と14時の2回、発掘の現地説明会が開かれます。まだ試掘段階なので見学しやすくはありませんが、現地で説明を受け、実際にご覧になれば、小牧山に対する見方もずいぶん変わってくるのではないかと思います。以前から市民に親しまれてきた小牧市のシンボルとしての小牧山が、新たな意味づけが加わるのは楽しいことです。こちらも興味のあるお方は、ぜひお越しください。集合場所は、市役所本庁舎うらの桜の馬場です。言うまでもないことですが、少し坂道を登ることになりますので、歩きやすい服装でどうぞ。

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