教育委員だより No.141

                                                                  平成18131

                                        教育長 副島孝

安全と安心

「安全と安心」という言葉が、セットでよく使われるようになりました。『安全のためのリスク学入門』(菅原努・昭和堂)を読んでいて、安全と安心は別物であり、一緒に扱う概念ではないという記述に出会いました。初めは何を言っているのかよくわからなかったのですが、著者自身も「安心したら安全は守れないでしょう」とある心理学者に言われて気づいたとのことでした。

つまり、リスク論の立場から見れば、「絶対的な安全」というものは存在しない。安全を保つためには、一定のリスクは常に存在すると肝に銘じておく。つまり安心してしまわないことが最も大切だ、ということのようです。安心できないのは許せないとか、過度に不安にかられるのではなく、安全のための取り組みを続けていくことが重要だということでしょう。

社会問題になっている通学路の安全に関しても、不審者情報の提供などは、一面では安心どころか不安をかき立てる可能性があります。しかし、安全のための取り組みの必要性を意識し続けるためには重要なことだと言えます。各学校で作成されている安全(防犯)マップも、作成されたマップの効果だけでなく、安全への意識化の効果の方が大きいように思われます。

ところで、昨年末の警察と合同で開いた防犯会議で提案した通学路ボランティアには、19日の段階で350人を超える登録がありました。週1日以上実際に協力できる方がこんなにも多数応募していただけたことは、本当にありがたいことです。随時学校で受け付けていますので、今後もさらに増加すると期待しております。

なお、応募いただいた方は教育委員会で、ボランティア保険に加入の手続きをとっています。統一の腕章も作成中ですが、2月半ばになる予定です。それまでは、あいさつワッペンなどを利用していただいています。そのほか今年度中にできることとして、「通学路110番の家」に加えて「健全育成協力店」にも、非常時の駆け込みへの対応をお願いします。もちろん数多くの団体にも、以前からパトロールなどで協力していただいています。

新たな予算を必要とするものは、来年度から早めに取り組んでいくつもりです。全校で登録によるメール配信ができるようにする。少年センターの警察OBの指導員を増員し、3人チームで通学路や学校の安全を担当し、通学路ボランティアや各種団体のパトロールが有機的に機能するよう活動する。子どもたち自身への防犯(セルフディフェンス)講座を全校で継続的に行う、などが実施できたらと考えています。

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