教育委員だより No.145

                                                                  平成18320

                                        教育長 副島孝

将来世代からの評価

たまたま先週の夜、環境をテーマに授業(講義を頼まれたのですが、1時間半ほどを話だけではと思い、イメージとしては授業を想定したわけです)を行う機会がありました。議会や年度末の会議が続く時期で、準備に十分な時間がとれず、反省点も多い結果となりました。しかし、内容自体は自分でも一度整理しておきたいものだったので、苦労というより楽しいものでした。

特に環境問題解決への視点が、ヒトへのリスク→生態系へのリスク→将来世代へのリスク、と推移してきたことを確認できたことが収穫でした。公害病が発生するような時代から、直接的な被害を受ける状況ではなくなったが微量でも生態系への影響を考えるべき時代、また資源の枯渇も含め将来世代への責任を考える時代へと、状況は変化してきています。これを押しつけでなく、楽しく学びながら認識できたらと構成しました。

環境問題にはさまざまな切り口がありますし、なかには明らかに誤った知識を前提とした議論も少なくありません。科学としての環境教育が必要とされていると考えます。正しい認識を共有したうえで、個別の課題を考えたいと、設問形式で構成しました。中学生から高齢の方までというクラスで、反応も多種多様であり、結構楽しんでいただけたのではと感じました。

実は同じ週に情報教育の会議があり、環境負荷という観点をもたないIT整備計画(具体的には大消費電力のディスプレイ)への疑問を発言してしまいました。環境負荷の増大以上の効果をもたらすことが、整備の条件だと思います。現在あるいは極めて近い将来のことを議論していると、将来世代へのリスクという観点を忘れがちになります。

例えば、財政再建は我が国の最重要問題ですが、国の負債(公的債務)がGDPの12倍を超えている(基本的な数字のはずなのに、諸説あるようです)状況は、EC加盟の条件が08倍以内であることを知ると、尋常な事態ではないことを痛感します。参政権のない子どもや孫の世代に、環境負荷と負債のつけ回しをするようなことだけはしたくないと、真剣に思っています。今後とも、将来世代からの評価という視点を忘れないようにしたいと考えます。

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