教育委員だより No.150

                                                                  平成18512

                                        教育長 副島孝

子どもに視点をおいた授業を

市独自で非常勤講師の研修会を始めて、3年目になります。心構えのお説教ではなく、楽しみながら指導のコツのようなものを身につける機会となればと、当初から考えていました。大学を出たばかりの方から経験の長い方まで、本務教員をめざしている方からその希望は持っていない方まで、ひとくちに非常勤講師と言っても、さまざまな方がいます。3年間連続の参加者も少なくないので、同じようなことの繰り返しもできず、研修会の指導者も大変です。

なぜか第1回目の研修会の講師は毎年、私ということになっています。プレッシャーがかかります。これまでの2年間は、基本的な指導技術に焦点をしぼった内容にしてきました。今回は趣向を変えて、授業書「自由電子が見えたなら」を教材に、私の授業を受けてもらう形にしました。非常勤講師といえども指導する立場にいると、つい子どもたちを指導者の都合から見てしまいがちになると考えたからです。

授業をしていると、子どもたちがなぜ間違ってしまうのか、何回も同じ間違いを繰り返すのか、と疑問を感じたり、腹を立てたりすることがあります。教材提示の順序や教師の言葉かけの方に問題があるのでは、と考えるような気持ちには、なかなかなれません。子どもの立場に身を置き、しかもどんどん間違えることによって、間違える子どもたちが実はよく考えていることを体験してほしかったのです。1時間という制約がありますので十分なことはできませんでしたが、私にとっても授業づくりの楽しさ、大変さを思い出すよい機会となりました。

自分でも授業をしたことのある教材でしたが、ずいぶん前のことで実験道具や材料などは手元にないため、実験器具の作製(それほど大げさなものではありませんが)や実験材料の収集、予備実験など、意外なほど時間がかかりました。久しぶりに大須のパーツ屋さんをまわりましたが、水銀スイッチが今は販売されなくなっている(有毒物質だからという理由のようです)ことを知るなど、時代の変化も感じる結果となりました。

昨日からいよいよ学校訪問も始まりました。半日訪問では今年度から午前中の特設授業も可としましたが、早速小牧小が2時間目に実施してくれました。条件のよいときに授業を実施し、研究協議を充実させるための準備時間もとれるようにするためです。授業自体は力のある教師でも、うまく行くときもありますが、思うように行かないときもあるものです。問題はその授業から、他の先生方が何を学んで自分の授業をどう改善するかのです。そのために、研究協議があります。

研究協議の充実度で、その学校の授業レベルがはかれるというのが、私が5年間市内の学校を見てきて得た経験則です。教えたつもりで終わっていないか、本当に子どもたちの一人ひとりに学びが成立していたかなど、焦点化された協議の深まりが、学校での1日の大部分を占める授業を、真に子どものためのものとするカギだと思っています。各校の研究協議への参加を楽しみにしています。

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