教育委員だより No.152

                                                                  平成18615

                                        教育長 副島孝

ゲーム中毒体験

ゲームが盛んです。今やゲーム産業はアニメと並んで、世界に誇る日本文化の一翼を担っているとも言われます。任天堂はフランスから、文化への貢献で勲章をもらったそうです。一方で、ゲームに熱中する若者のことを苦々しく思っている人は、決して少なくありません。ところが、最近は脳の活性化や老化防止のために、高齢者向けの学習ゲームも話題になっているようです。

私は長い間、どちらも自分には無縁のことと考えていました。ところが、この2か月ほど「数独」というゲームにはまっていました。家族中でプチブームという感じでした。最初は横目で見ていたのですが、ついに初級編、中級編、上級編の3冊(新書版で高いものではありません)を購入し、それをやり遂げるのに2か月かかったというわけです。

3行×3列の9マスを1ブロックとし、それが縦横3つずつになったもの(つまり合計81マス)に、ブロックごと、縦横ごとに1〜9の数字を1個ずつ埋め込んでいくのが、数独のルールです。いくつかの数字が、あらかじめ印刷されています。この数字の与えられ方によって、易しい問題から、2日がかりでやっと解けた問題まで分かれます。日本生まれのこのゲームは、鉛筆と消しゴムがあればいい、ずいぶん安上がりなゲームでもあります。

この2か月間、毎日最低でも1時間はやっていたわけですから、はたから見れば完全なゲーム中毒状態です。1問解くのに、普通30分くらいはかかります。暇つぶしにはいいのですが、忙しくてもやるのですからが中毒としか言いようがありません。私の場合は、いちばんの趣味である本を読む時間と完全に重なるため、いつまでも続けられることではないなと感じていました。途中からは、上級編を終えたら止めると決めていました。

実は、もうひとつ止めた理由があります。それは、他人が作ったゲームを解かされているという感じから、どうしても抜け切れなかったことです。脳を活性化する、脳の老化を防ぐというキャッチコピーに批判的なのも、同じ理由からだと思います。「ゲーム脳」論議にも、違和感があります。しかし、中毒になるのは分かるなあ、というのが今回の実感です。

子どもたちが、テレビやゲームに時間をとられ、勉強や読書離れしていることは、市内の実態調査でも明らかです。学習や読書の醍醐味を体得させることも大切です。しかし、貴重な自分自身の時間の使い方という観点からのアプローチもあるのではないかというのが、この2か月のゲーム中毒体験からの収穫です。

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