教育委員だより No.155

                                                                  平成1887

                                        教育長 副島孝

タンザニア訪問記

タンザニア訪問には、予想を上回るインパクトがありました。派遣団としてのきちんとした報告は、別にまとめることになっていますし、ウェブ上でも見られる形にする予定です。今回は、印象に残ったところを中心に記述することにします。

<タンザニアは暑いか寒いか> 出発前に、予想より寒いから防寒用の服を用意するように言われました。結果は、最も寒かったのは飛行機の中とサファリカーが天井をあけて走ったときでした。前者はカーディガンが、後者はウィンドブレーカーが最適でした。山岳地帯を除いては、半袖でも長袖でも構わない(当然個人差はあり)という状況でした。乾期でしたが、雨も降りました(今年の雨期は降水量が少なかったそうで、その影響で部分停電もありました)。

<自然の雄大さ> アフリカというと野生動物を連想する人の方が多いようですが、私はどちらかと言えば地形とか植生に関心があります(もちろん目の前を象やキリンの群れが横切るのは魅力的ですが)。大地溝帯(余りにも広大で、部分的にしか目にできません)、広大なサバンナ(いわゆるジャングルは今回見ていません。ゾウやライオンなどのいるところがサバンナです)、現時点で人類発祥の地といわれるオルドバイ峡谷など、現地でなければ感じられない雄大さでした。

<現地の方たちとの交流> 実は、いちばん難しかったのが、この点です。言葉の面では、比較的わかりやすい英語を多くの人が話します。しかし、訪問先の役所や学校では、長い演説など儀式的な対応も多く、私たちが知りたい実態を見る機会は十分ではありませんでした。もちろん誠意をもって対応していただきました。例えば学校では、全員の先生方が校門から列をつくって迎えてくださいました。別の言い方をすれば、特別な日課で普段の様子ではなかったということにもなります。

<貧しさは想像以上> 1人当たりのGDP約300ドルなどの統計から、向上しつつあるとは言え、現時点で貧しい国であることは理解していました。しかし、学校内を見ると、維持管理の費用に事欠いていることが、すぐにわかりました。一例をあげれば、図書館の本は閉架式で、しかも千冊程度です。それも全部変色しており、少なくとも十年以内に補充されたものはないと思われました。雨漏りやガラスの破損などにも、手を打てない状況のようでした。わが国の今後は教育にかかっていると聞かされたのと、対照的な現実を突きつけられた思いでした。

<都市と農村> 都市には商売をする多くの人が見られました。市街から少し離れると、トウモロコシ畑が広がり、さらに羊や牛の遊牧が行われています。都市には曲がりなりにも水道や電気が引かれていますが、街を離れると、朝夕にはバケツを持って水を汲みに行く光景が見られます。電気の引かれてない地域も少なくない一方で、携帯電話の広告は至る所で見られました。

 設備の整ったホテルに泊まり、案内された所を見ただけに過ぎませんが、それでも多くのことを感じることができました。反省としては、地図が欲しかったこと、事前にもう少し派遣団として学習すべきだったこと、などがあげられます。しかし、事務局が直前まで連絡を取り合うなど懸命な努力をしたにもかかわらず、十分な情報が入らなかったのが現実です。むしろ、今回訪問した私たちが、事前学習のお世話など次からの訪問への引継や、今後の交流のあり方の検討に貢献しなければと考えています。

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