教育委員だより No.158

                                                                  平成18912

                                        教育長 副島孝

映画「暖情」を見て

11回目を迎えるあいち国際女性映画祭に、小牧市が参加して4年になります。この映画祭は作品を上映するだけでなく、監督などが実際に訪れてゲストトークを行うところに特色があります。チケットの売れ具合から見ても、ファン層が年ごとに拡大していると感じています。今年の小牧会場(まなび創造館あさひホール)での上映作品は、中国のウーラン・ターナ監督による「暖情」でした。

「暖情」のストーリーは、簡単に言うと次のようなものです。父母と6歳のひとり息子トントンの3人家族は、貧しいながらも幸せに暮らしています。ところがある日、リストラがらみで父親も母親も失業してしまいます。それをきっかけに母親が家を去り、都会(大連)へ出てしまうのです。少年トントンは幼稚園もやめ、泣き暮らします。遂にトントンと父親は母親を捜しに、大連へと旅立つことにします。

しかし、広い大連での母親捜しは、思うようには進みません。生活も苦しく、トントンも父親の仕事を手伝う毎日が続きます。このあたりの、小さなエピソードを積み重ねてストーリーを組み立てていく手法が、監督の得意とするところのようです。さまざまな紆余曲折の後、母親が見つかります。豊かな昔の恋人と暮らす母親を見て、父親はトントンを母親に渡す決心をします。しかし、トントンは父親を恋しがって、泣き暮らします。

離婚を一方的に非難するトーンではありませんが、片親家庭での子どもの育ちの困難さは十分描かれています。中国でも、離婚による片親家庭が急激に増加しているそうです。だからこそ、家族の絆というテーマでこの映画を撮ったのだと、監督は語ってくれました。少子化と並んで片親家庭の増加も、豊かになるにつれて起こる問題であることを示しています。

小牧会場での上映作品は、まなび創造館のスタッフが全作品を見て選んでいます。昨年小牧会場で上映された「ダブルシフト」は、現在日本の各地で巡回上映されているそうです。作品のレベルで定評のある映画祭上映作品のなかから、ぜひ小牧会場で見ていただきたい作品をセレクトしているのですから、十分満足していただけるはずです。今回もかなり早い段階で完売しました。次の機会には、早めのチケット購入をお勧めします。

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