教育委員だより No.170

                                                               平成19125

                                        教育長 副島孝

岳陽中学校を訪問して

静岡県富士市立岳陽中学校といえば、小牧市内の中学校も指導していただいている佐藤雅彰先生が校長赴任以来、佐藤学先生の指導で「学びの共同体」としての学校づくりを実現した中学校として有名です。今回初めて、公開研究会に参加することができました。これまでに訪問した多くの方から、ぜひと勧められて今回訪問したものです。

当日は富士市の平岡教育長もおみえで、いろいろなお話も伺えました。なかでも印象的だったのは、「中学校で長年やってきて、学校を変えるのは生徒指導が核と思って頑張ってきた。ところが岳陽中では『学校づくりは授業改善だ』との校長のもと、全校を挙げて取り組むという。最初は思わしくなかったが、学校は確かに変わってきた。今ではほとんどの先生が『学校づくりは、やっぱり授業改善だよね!』と言っている。私も半信半疑でいたが、『今ではそうだ』と実感している」と岳陽中のある先生が語られた言葉の紹介でした。

佐藤雅彰先生のお話は、岳陽中で伺うといっそう心にしみます。

   「ひとり残らず学びに参加する」を目標に、学びに参加できない子どもをどうケアするかという視点から、グループ活動を授業に導入した。

  グループ学習は教え合いでも話し合いでもなく、学び合いだ。

  一つの考えにまとめるのではなく、一人ひとりの学びを深めるためのグループなのだ。つまり、リーダーも司会もいらないグループなのである。

  すべての子どもに学びを保証するためには、もう少しレベルの高い課題が必要だ。

必ずしも授業のうまい先生ばかりではありません。頭髪や服装に問題のある生徒もいました。しかし、生徒たちはひとり残らず一生懸命学びに集中していました。転勤のはやいこの地区で、佐藤雅彰先生が第1世代と呼ぶ6年前にいっしょに取り組んだ先生で、現在も岳陽中にみえるのは養護教諭を含めてたった2名とのことです。こういう状況のなかで実現している学び合う子どもたちの姿を見ると、本当に頭が下がります。

6年前の研究開始当時、頻発する問題行動に対し、甘やかすのではなく、厳しく対処したそうです。しかし、その厳しさとは、強圧的ではなく、徹底した対話により関わるという方法です。担任や学年任せにせず、生徒指導担当、教頭・教務主任、校長と1回の問題行動に5回の対話を実施するという方法です。4月5月で50人の問題行動生徒と対話したと、懐かしそうに語ってみえました。4月から3月まで、当然のように続く研究授業と研究協議。学び合う授業が最大の生徒指導とは言うものの、決して易しい道ではありません。しかし、実に確かな道だと実感できました。

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