教育委員だより No.187

                                                               平成19822

                                        教育長 副島孝

中学生の提案から新しい条例案

昨日の市長の記者会見で、9月議会に上程される議案が紹介されました。その中に、「小牧市快適で清潔なまちづくり条例」案があります。これは従来からあった「小牧市ポイ捨てによるごみの散乱防止に関する条例」を廃止して、罰則つきで、落書きや糞の放置、空き缶や吸い殻の放置や投棄などを禁止する内容です。新条例案には、路上喫煙禁止区域を指定できることや、歩行中などに吸い殻入れを携帯していない場合の喫煙防止も含まれています。

路上喫煙禁止といえば、静岡市の中学生が署名を集め市議会に呼びかけて、条例が成立したニュースを思い出します。実は、今回の小牧市の条例案にも中学生たちの活動がありました。平成18年2月に「米野さわやか会」に所属する中学生27名が、「路上禁煙条例制定のお願い」を市長に提出したことが、きっかけとなっているのです。

「米野さわやか会」は、熟年や保護者など大人の正会員のほかに、準会員として小学生・中学生・高校生も加わっています。地域の生活環境の向上をめざす団体で、毎月1回の道路美化活動などを行っていますが、それだけにとどまらないのがこの団体の特長です。ジュニアサークル(中学生部会)は、年に2回環境調査を行っています。地点ごとに収集したゴミを、「ペットボトル、缶・びん、たばこの吸い殻、たばこの空き箱、その他のゴミ」に分類して、数を記録しているのです。

平成16年には清潔で知られる観光地の高山市にまで行って、比較調査を実施しています。それらの調査の結果、ある傾向に気づいたのです。それは、ゴミの総数の中に占める吸い殻の比率がほぼ一定であるというものです。ほとんどの調査地点が、約70%なのです。ここから彼らは、ひとつの仮説を導きました。吸い殻のポイ捨てが減れば、ゴミの総量も減るのではないかと。

その後、彼らは仮説を実証するために、看板を立てたり、立てる場所を変えたりと、自分たちでできる活動を続けてきました。しかし、吸い殻のポイ捨て減少には、効果がありませんでした。そこで、強制力のある条例制定を市長に訴えたというわけです。路上喫煙は、顔の高さになる幼児への危険、喘息への影響、美化など、さまざまな理由から各地で規制が始まっています。

中学生の調査活動からというのも、小牧市で加わった新しい観点です。もちろん中学生だけの力ではないでしょう。会長さんをはじめとする、これまで企業活動などの中で身につけてきた大人たちのノウハウが生かされていると、私は感じています。中学生のお願いの文には、「このままでは、心ない喫煙者の犯罪行為が、私たちの世代にも伝染してしまうのではないかと、とても心配です。美化活動をいつまでもやっていても、私たちの努力が報われないのではないか、とも感じました」との文言もありました。今度は、これを受けとめる大人の番ですね。

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