教育委員だよりNo.198

                                                               平成191226

                                        教育長 副島孝

未納問題再考

今月の定例市教育委員会での意見交換のテーマは、給食費の未納問題でした。この問題については、一度取り上げたことがあります。このときは、学校の教育活動への悪影響という面から考えました。今回議論の中で別の視点、すなわち「家庭教育」の観点からも捉える必要性を感じました。

学校の集金は給食費だけという形では行っていないので、給食費(正確には給食の材料費)が未納だということは、資料集など副教材の代金や遠足の費用なども含まれるということです。給食費は市(自校方式では学校)が相手ですが、ほかの費用はそれぞれの業者に支払わなければなりません。先生方や事務職員は、本当に困っていることでしょう。

やりきれない感情のもと、かなりの手間と時間(人件費に換算すればかなりの金額)をかけて、督促や余計な事務作業や対策を考える話し合いをしているわけです。子どもたちへの教育に影響しないはずはありません。それを助けるための人員を手当てすれば、また新たな税金の投入です。きちんと遅れずに納入している立場から見れば、腹の立つ事態です。何という親たちだ、と今やマスコミも非難しています。

もちろん個々には、いろいろなケースが考えられます。本当に生活が苦しいのに、(要保護・準要保護児童生徒)就学援助費という形で公的な扶助を受ける方法があることを知らないのかもしれません。問題は、払う能力はあるのに払わないというケースです。母親が対応している場合が多いでしょうが、父親はその事実を知らないことも考えられます(実際にそのような例があった、という話も聞きます)。そのような事例では、児童虐待を疑わなければならない可能性すら考えられます。

子どもも、自分の親は払う能力があるのに払っていないという事実を、やがては知ることでしょう。家庭教育の問題と考えれば、自分さえよければという態度を、親が子どもに教えていることになります。これを学んだ子どもが、同じような生き方をする、つまり親を見捨てることにもつながることは十分に考えられます。もちろん、子どもにはさまざまな可能性があります。反面教師となる場合も考えられます。しかし、親のようにはなるまい、と思いながら成長することが幸せだとは思えません。

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