教育委員だよりNo.201

                                                               平成20131

                                        教育長 副島孝

新任教師の1

市で行う初任者研修の最後の会が、昨日行われました。教職経験のある初任研除外者と学校行事等のための不参加者3名を除いた24名の参加でした。午前中は北里小、午後は北里中で、それぞれ初任者による授業の参観と研究協議が行われ、その後閉講式を行いました。私は午後から参加して、初任者の成長ぶりを見せてもらいました。

北里中での授業は1年生の数学です。垂直二等分線の作図の内容でした。単に作図の方法を知るだけでなく、地図上で2点から等しい距離の地点を見つける中で、垂直二等分線につなげていくという内容でした。実に雰囲気のいいクラスで、4人グループでは個性を発揮しながら学び合い、先生の説明には集中する、ということが自然にできていました。

もちろん初任者の授業です。問題点は多くありました。私ならこうする、と思う場面も少なくありません。しかし、教科担任のひとりとして、こういういい雰囲気のクラスを作り上げた点では、間違いなく及第です。参観後に実施された研究協議も、森川指導主事の司会で隣同士や全体での話し合いを取り入れ、具体的な事実に即して子どもの名前が出る内容でした。また、初任者が身につけるべき重要課題のひとつである、ひとり残らず全員が参加する協議ができていました。

閉講式では、まず全員の初任者が1年間の振り返りをしました。学校を留守にすることも多く忙しかったが、いろいろなことを学べたことを、各自の言葉で表現していました。準備不足で4月のスタートにつまずき、これが後々まで響いたとの発言もありました。4月以前にも最低限のオリエンテーションは必要だと常々感じていましたので、可能なら市全体で、無理なら赴任先の学校ごとにでも行う必要があると思いました。

続いて私から、まとめの話をしました。1年間の多忙な研修期間をねぎらった後、私自身の新任のときにはこのような初任者研修の制度がなかったことを話しました。新任研修と呼ばれたものはありましたが、バスでの市内の見学と数回の研修、校内での数回の授業がすべてでした。研修に出たときの補充の教員など、当時は望むべくもありませんでした。現在の初任者研修に、問題がないわけではありません。しかし、大量の新任採用時代に突入した現在、これ以上に手厚い仕組みは困難でしょう。いかに制度を活用して、実のあるものにするかが問われています。

話しておきたいことは多かったのですが、2年目以降は各人の自覚が望まれていること、具体的には「引き出し」を増やすことに意識するといいと話しました。指導の方法でも、子どもへの見方でも、力のある教師は豊富な「引き出し」を持っています。また、それを1年ごとに増やしています。「引き出し」の少ない教師は、限られた方法に子どもを強制させがちです。うまくいくときもあるでしょうが、うまくいかないときには対応できません。真剣な表情で聞く、彼らの今後がとても楽しみです。

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