教育委員だよりNo.209   

平成2051

教育長 副島孝

子どもたちに学校以外の場も

「あなたは今の自分が、どういうところでつくられたと考えていますか」と聞かれたとしたら、「学校です」と答える人はそんなに多くないだろうと私は想像しています。私自身、学校で学んだことよりも、学校以外の場で学んだことの方が多いと思っているからです。しかし、「子どもは学校(と家庭)だけで育つ」と思い込んでいる人も、少なくはないようです。

 朝から晩まで学校にいて、夜は家庭という生活だけで、本当に子どもは健全に育つのでしょうか。人間関係がつくれない、コミュニケーションが苦手という人が増えていると言われますが、そんなことも影響しているように思われます。もちろん学校での教育は重要です。学校は、全員に必要なことを効率的に学べる場です。しかし、学校(塾を含めてもいいのかもしれません)でも家庭でもない場での体験も、必要なのではないでしょうか。

 異年齢の子ども同士の自然発生的な遊びの場が失われた今、子ども会や地域行事などが本当に必要とされているのではないでしょうか。大人や保護者自身がそういうことを面倒がるような風潮さえあるなか、小牧市ではそれでもお世話してくださる方が多くいます。本当にありがたいことです。

学校で学ぶことは、すべての子どもに共通的に学ばせる必要のあることです。学んだほうが望ましい程度のことまで学校に要求しては、かえって学校教育をダメにすることを、私たちは学んできたはずです。全員に学ばせるまでではないことが重要でない、と言っているのではありません。何パーセントか、何割かの子には経験して欲しいと思うことは、決して少なくありません。

そういうことのために、さまざまな場が用意されています。たとえばジュニアセミナーは、年々充実して3年目を迎えます。地域3あい事業も、多くの地区で行われるようになりました。そのほかにも、多くの取組みが各所で(学びノートをご覧ください)行われています。多くの方が関わってくださっているお陰です。

これらの学びの場を、一般に生涯学習と呼んでいます。生涯学習を暇な人の趣味程度にとらえている人がいますが、大間違いだと思います(もちろん生涯学習の概念は広いので、そういうものも当然含みますが)。現にジュニアセミナーや地域3あい事業などの指導者の中には、生涯学習の講座などで学んだことを生かし、現在は教える側にまわっている方もいます。

学校の先生や家族以外の大人との関わりも、人格をつくるうえでは大きな役割を果たします。また、そういう方々の見守りの中で、学年や学級ときには学校の枠を越えて子ども同士が交流することも、人間関係を学ぶよい機会となることでしょう。このような場への、子どもたちの(当然ですが、それを支える大人たちの)積極的な参加をお勧めします。

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