教育委員だよりNo.210

平成20年5月9日
教育長 副島孝

やっぱり本物は違う

ゴールデンウィークも終わりましたが、今年の小牧市の目玉は正眼寺誕生仏の特別展示だったと思います。小牧市では唯一の、国指定重要文化財(重文)です。高さ約8pと小さいものですが、やはり存在感はすごいというのが私の見た印象です。この企画は、正眼寺への里帰りに併せて市民にも見られる機会を、というNPO法人「尾張小牧歴史文化振興会」のご尽力によって実現したものです。

5月3日には、小牧市文化財保護審議会委員の池田洋子先生(名古屋造形大教授)による記念講演会なども開催されました。池田先生には、正眼寺誕生仏の歴史的・美術的な位置づけなどを解説していただきました。誕生仏背面の突起部分の穴を、私自身は根付のように紐をつけたものかと、勝手に想像していました。しかし、池田先生のお話で、光背(仏像の背後につける後光をかたどった装飾)を取り付けてあった穴だと知りました。

この誕生仏は、いつもは奈良国立博物館に寄託されています。里帰り展示といっても、重文の展示に際しては、警備員の配置をはじめとしてさまざまな条件をクリアしなければなりません。奈良から小牧(名古屋)までは名古屋市博物館が行い、名古屋市博物館での展示後は小牧市が受け持つという形の協力体制をとりました。小牧市歴史館(小牧城)での展示期間中に、例年の倍近くの4000人以上の方が参観されました。

この機会にレプリカ(複製)を作成し、完成後には歴史館に常設展示する予定です。本物どおりとはいかなくても、現物を目にすることで親しみも増すのではないでしょうか。歴史館展示の目玉の一つになると期待しています。

そういえば小牧市では巡回ミュージアムという名称をつけ、名画の複製を全中学校や公共施設で巡回展示しています。複製でよしとしているわけではありません。複製を見ることで、実物に接してみたいという気持ちが育ったらというのが、事業の意図です。音楽に関しては、CDで聞くという楽しみ方をメインとしている人が多いのではないでしょうか。機会があれば、美術でも、音楽でも、スポーツでも、本物に接する魅力を味わっていただけたらと願っています。

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