教育委員だよりNo.216                                                                                            

平成20725

教育長 副島孝

『光とともに…』を知る

夏休みが始まり、各種の大会とともに研修講座が開催されています。研修講座のなかでは、発達障害を中心とする特別支援教育関係が大盛況です。昨日(24日)にも、岡山大学の佐藤暁教授を講師とした研修会が開催されました。これらについては、次回以降に取り上げたいと考えています。

ところで、『光とともに…〜自閉症児を抱えて〜』(戸部けいこ、秋田書店)というマンガをご存知でしょうか。現在13巻まで発売されていることでわかるように、かなり売れているマンガです(と言っても、私が知ったのは、つい最近のことですが)。特別支援教育を主たる担当にしている秋月指導主事が全巻持っているとのことでしたので、早速借りて読みました。

主人公の光は、自閉症と知的障害をあわせもった男の子です。一歳半検診で指摘を受けますが、母親は受け入れられません。しかし、(親類を含む)周囲とのトラブルが頻発し、対応を考えざるを得ない状況になります。その際、相談員をはじめとする担当者の保護者の気持ちによりそう対応が心を開く重要な要素となることが、その後の療育施設や保育園への入園、就学時の選択や進学に際しても、繰り返し再現されます。

自閉症児のものの感じ方の特徴や指導側の対処方法を具体的に示していることが、個人的には最も学ぶ点でした。発達障害の子どもに理解しやすい指示や教室環境は、通常の子どもたちにとってもわかりやすいということが納得できます。特別支援学級の担任の姿勢により、子どもたちの生活ぶりが一変するところなど、つらい話ですがあり得るのかしれないと思わされます(しかし決して敵対するのではなく、理解を求めようとするスタンスです)。

小学校入学後に、7つ違いで妹の花音が誕生します。友達関係、いじめや虐待、それにDV(ドメスティック・バイオレンス)など、エピソードは満載です。最新の13巻では、父親の転勤に伴う転校が決まったところで終っています。保護者から医師まで、いろんな方からの情報や助言を得ているだけあって、読ませる内容です(少女マンガっぽい絵は、個人的にはいまいちですが)。

発達障害に関しては先延ばしではなく、その時期に応じた対応が適切に行われないと、その子の一生を台無しにすると言われます。十数年前に比べれば、認識や対応はずいぶん進みました(当時の自分の認識を省みると、冷や汗がでます)。しかし、未だに一般論の段階の状況も少なくないようです。一度じっくり目を通してみたらいかがでしょうか。夏には最適だと思います。

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