教育委員だよりNo.224                                                                                            

平成201027

教育長 副島孝

公開保育の新展開へ

第一幼稚園の公開保育も、今年で7回目になります。保育の中身を具体的に検討することを通じて幼保小中の連携推進することの重要性が、幼年期教育推進会議の中で確認されたことが発端でした。実施以来、少しずつ持ち方に改善を加えながら継続してきました。市内唯一の公立幼稚園である第一幼稚園の公開保育が、市全体の保育内容の充実や連携のために大きな役割を果たしてきたことは確かです。しかし一方では、今のままの持ち方でよいのかという気持ちも強くなっていました。そんなこともあり、今年度は助言者として秋田喜代美先生をお招きしました。

公開保育には、保育園や私立幼稚園、小中学校の先生、教育委員会や療育施設の職員など、幼児教育に関わる関係者が参加しました。午前中から保育を参観し、午後は(今年度は地域を考慮した)グループに分かれて協議、全体会で協議報告の後、助言講評という日程です。グループ協議もさまざまな合同研修などによる積み重ねにより、以前よりは突っ込んだ話し合いができたというものの、時間不足もあり深まりには課題が残りました。

秋田先生の指導講評は、期待にたがわないものでした。まず、公立私立幼稚園の先生が同じ場で、しかも保育園や小中学校の先生も含め、このような話し合いが普通に行われていることの素晴らしさを指摘されました。幼稚園でのグループ協議の報告を、保育園の先生が行っている例は見たこともないと話されました。そのうえで、「連携」といういわば制度からの見方ではなく、「移行」という子どもや保護者の視点から、接続の問題をとらえたいと話されました。

お話の中心は、当日の保育で見た、名前をあげての具体的な子どもたちの姿と、子ども同士のかかわり、先生のかかわりについてのコメントでした。いわゆる保育時間だけではなく、食事の準備中のやり取りにかかわるものまであり、なるほどと思わされるものばかりでした。また、改訂された幼稚園教育要領や保育指針に示された「発達の連続性」や、あえて書かれなかった「協同の遊び」について、現場での受け止めへの期待を語られました。

講評を聞きながら、現在市内の学校で行っている授業後の研究協議と同じなんだなと、私は感じていました。授業中に示された子どもたちの事実をもとに語り合うことで、子どもの事実を見る目を養い、指導の在り方を考え合うというものです。幼児教育はまた別だ、と考えていた自分が恥ずかしくなりました。また、そのような話し合いをするために、公開保育の持ち方をどうしたらよいかも考えていました。

終了後、短時間でしたが、秋田先生とお話しできました。そこで、学校の授業研究に幼稚園の先生に参加してもらうと、協議がいちだんと深まるとお聞きしました。何といっても、子どもの姿をとらえることに関しては、教材を介してとらえる学校の先生より鋭いと。同じことが、保育に関しての話し合いでも、学校の先生の見方が保育者には新鮮だと。その場で米野小学校研究授業への、第一幼稚園の先生の参加が決まりました。先の見通しが立つのはうれしいことだなと感じさせられた一日でした。

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