教育委員だよりNo.231                                                                                            

平成21129

教育長 副島孝

市初任者研修を終えて

市で行う初任教員研修の最終日には、私の講話の時間が設定されています。午前中は小学校、午後は会場を変えて中学校で初任者が授業を行い、参観した全初任者がグループワークを取り入れた協議会を持ち、最後に閉講式という日程です。ここ数年、閉講式にしか参加できませんでしたが、今年は幸いなことに、一日中参加することができました。ほぼ1年を経験した初任者の授業を見ると、何よりも確かに初任者研修の結果を判断することができます。

初任者研修は、県(総合教育センター、教育事務所)と市、学校とで1年間実施します。手厚い予算が付いている研修ですが、初任者が少ないときにできた制度のせいか、最近の大量採用時代にはそぐわない面も目立ちます。効果的な実施のために、各方面で知恵を出し合っているところです。小牧市では、他の研修と同様、講義形式を避け、授業や学級経営を中心に参加型の実践的な研修に努めてきました。

さて当日午前の小学校2年生国語「かさこじぞう」では、先生も子どもたちも落ち着いた雰囲気で授業が進められました。先生の抑えめのトーンが、子どもたちの落ち着きをつくっていると感じました。協議では(私は中座していましたが)、発言のつなぎ方、板書、グループ活動などが話題となったようです。午後の中学校2年生英語「過去形(規則動詞・不規則動詞)」では、テンポのよい集中した学びがなされていました。教材もよく工夫されており、4人グループでの活動もよくできていました。協議では、グループ活動やテンポ、課題のレベルなどが話題となりました。

閉講式の講話では、「成長し続ける教師になるために」というテーマで、最近よく言われるようになった教室での「縦糸」「横糸」論を紹介しながら、次のステップに進む道筋について、私見を述べました。「よい授業」と「よい学級経営」の関係は、昔からどちらが先かという議論がありました。どちらかができなければ片方はできないでは、いつまでたっても次へ進めません。相乗効果をあげるためにも、具体的な「縦糸」「横糸」論(野中信行氏や横藤雅人氏の「縦糸」「横糸」学級経営論も紹介しました)は役立つと考えたのです。

DVDで映画「二十四の瞳」を見直してみると、理想の教師だと感じていた大石先生は、泣くばかりで全く指導力が無く、今なら問題教師だと言われかねないと、内田樹氏が『街場の教育論』で書かれているように、以前とは違った難しさが現在の新任教師にはあります。しかし、教育の醍醐味は変わらないと、初任者の1年間の感想を聞いていて感じました。もちろん最も研修時間数の多い各学校での指導教員や、拠点校指導教員をはじめとする多くの先輩教師たちの指導の成果でもあります。彼らが最もたいへんな1年間をくくり抜けたことを喜ぶとともに、今後の着実な成長に期待を深めました。

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