教育委員だよりNo.234                                                                                            

平成2132

教育長 副島孝

高等学校での学び

小牧市には市立の高等学校はありませんから、普段は高等学校のことをあまり考える機会はありません。しかし、高校生も市民の重要な構成メンバーですし、大いに関心はあります。養護学校や公立私立を含め5校ある高等学校の卒業式には、教育委員が手分けして参加しています。今年私は、小牧高等学校全日制課程の卒業式に初めて出席しました。(全日制は議会と重なることが多く、小牧高校は定時制の卒業式に2回参加したことがあるだけでした。)

最近の高校生は真面目で素直だなあとか、やっぱり今は理系よりも文系志望者が多いんだとか、色々感じるところがありました。愛知県は公立の高等学校が着実な成果を上げていることで、全国的に知られています。将来の進路を考えると私学へという風潮のなかで、(もちろん、私学で力を伸ばす選択肢があることも重要ですが)愛知県では身近な公立高校から目標とする進路へ進むことが当然のように行われています。現在のように、経済力の差が教育水準の差とつながっている、などと言われる時代には、ことのほか貴重なことだと思います。

さて、小中学校で学び合う学びを経験した子どもたちが、卒業後どう学んでいるのか。子どもの学びに着目しようと主張し、実践している立場からは、無関心ではいられません。「考えを伝える力がオバマ大統領と比較して日本では」などと、最近よく言われます。こうしたことの背景には、沈黙の9年とか12年などと揶揄される学校教育があったはずです。先生の話すこと、黒板に書かれたことを、ただ黙ってノートに写すだけ、級友の後頭部を眺めて過ごすだけの教室では、「考えを伝える力」も育ちようがありません。

高等学校での授業の様子はどうなっているのでしょうか。まさか、私たちが高校生だった時代と同じような授業が続いているとは思いませんが、小牧市内の小中学校で「学び合う学び」を経験している子どもたちにとってはどうでしょうか。実は学び合いを取り入れた理由の一つは、幼稚園・保育園から高等学校まで通じる方法だということでした。研究会などに出かけると、高等学校の先生方もたくさん参加しています。

市内では、高等学校とはまだ生徒指導関係の研修会程度しか、連携がとれていないのが現実です。小牧市で行っている取組みは、学校段階や教科の違いを超えて、子どもたちの学びを中心に据えて、学校教育の基本である授業を捉え直そうとするものです。授業で学び合う姿勢が醸成されれば、学力も格段に向上すると言い切れる段階に至った今、高等学校も含めて子どもたちを育てたいと思うようになりました。研修会や公開研究会への参加を、市内の高等学校にも呼びかけようと考えています。授業を公開し合い、子どもたちの学びに着目して授業を語り合える日が近いことを願っています。

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