教育委員だよりNo.243                                                                                            

平成21616

教育長 副島孝

太田惠美子先生のGDV教育

以前『りんごは赤じゃない』という本を、このコラムで紹介したことがあります。太田惠美子先生の中学校美術科の授業を取材した本です。その時のご縁で、太田先生からお手紙をいただきました。先生は栃木市の教育委員会の参与という立場で、寺尾中学校の新入生を卒業まで3年間、総合的な学習で指導されました。その3年間の記録を送っていただいたのです。

先生は定年の年に、「GDV教育6段階」をまとめられたそうです。GDVとは(グローバル・ドリーム・ビジョン)の略で、「自分自身は何をめざし、どう生きるのか、地球社会に自分はどんなことで貢献しようと思うのか」を週2時間、総合の時間を使って指導するものです。各段階で自分の考えを創りあげるために、生徒たちには深い調査・研究が必要となります。必要な本を探し、選ぶことから始まり、どう調べ、どんな考えを持つことができたかの過程をスケッチブックに文章・図・グラフなどでまとめていきます。

3年間の学習の集大成として実施された全員の発表会の様子が、地元のケーブルテレビ番組で放映されました。そのDVDも送っていただきました。最終的に自分の未来像を描いた1枚の絵を示しながら、全員(1学年20名)が級友や参観者の前で発表する様子が記録されています。一人ひとりの発表が素晴らしく、編集のしようがなく2回に分けて放映されたそうです。

総合的な学習が導入されて、移行開始から10年ほどが経ちます。日本中の様々な学校で、取り組まれてきました。今回の改訂で、総合の時間が削減されたのは周知のとおりです。実際、地域により、学校により、行われている実態は様々でした。同じである必要はありませんが、何を育ててきたのかは問い直される必要があると思います。

太田先生のGDV教育の実践は、太田先生でなくては(難しい)という要素があることは否定できません。しかし、総合のあるべき姿の実例、ここまで実践可能なのだという実例を示すものです。私だけが見ていても仕方ありません。市内でご希望の先生方にお貸しします。希望の方は連絡ください。

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