教育委員だよりNo.247                                                                                            

平成2186

教育長 副島孝

2年ぶりのアクションリサーチ研究会

2年前にも参加した「アクションリサーチ研究会」に、今回2度目の参加をすることができました。アクションリサーチの意味も意義も、前回よりはわかるようになっての参加です。今回は小牧市の学校からも発表が2つ行われるので、その発表やそれに対する反応に興味がありました。個人的に指導を受けている的場正美先生や柴田好章先生が、どういうコメントや評価をされるかにも興味がありました。

1日目の最初は全体会です。今回はLesson Study(授業研究)をアメリカに紹介した功労者のひとりである、吉田誠先生の講演がありました。日本で一般に考えられていることとは違って、アメリカの学校の授業の大半は教師主導の一方的な授業であり、教師自身の教える指導内容に対する知識も不足している。教師経験のない校長や教育長が増え、短期間で成果を求めることの悪影響が出ている。授業研究は世界に誇る日本独自の研修方法であり、この取り組みを絶やしてはならないとお話しされました。

次の学校づくりの事例検討では、光ヶ丘小学校の事例発表の分科会に参加しました。この研究会としては少し硬い感じの発表でしたが、それでも小牧市の学校が取り組んでいる「学び合う学び」の姿は伝わったようです。一方で、取り組んで初めてわかる変化や悩みなど、もっとありのままをさらけ出す姿勢が、研究会では必要だとも感じました。

その後は、パネルディスカッション「研究者が読み取る学校づくりの今日的課題」です。外部からの「改革」による学校活性化の要求の中で、「ビジョンと哲学のない学校づくりは徒労に終わる」「安易な共有ではなく、わからなさを大事に」「教員評価・学校評価などを、授業研究や学校づくりに使う換骨奪胎をしたら」などの議論がありました。的場先生は今年も、同じ方向からの議論を防ぐためにあえて異論をというスタンスが感じられました。

夜は懇親会です。研究会では顔見知りの参加者と旧交を温めるだけでなく、面識のなかった方ともお話しできる機会にもなります。今回も何人もの方と話すことができました。最大の収穫は、論文を読んで注目し、一度お話ししたいと思っていた若い研究者(まだ博士課程の2年生だと聞いて驚きました)と突っ込んだ話ができたことです。

2日目の授業づくりの事例検討では、米野小学校の授業がビデオと解説で示されました。残念ながら私は他の分科会で、提案の実際の様子を見ることはできませんでした。しかし、後から柴田先生に伺うと、なかなか好評だったとのことです。授業中の全グループの活動をビデオ映像と逐語記録で再現するという、これまでにほとんど行われなかった方法で、今後もさまざまな方面から注目されるはずです。

疑問点を出し合う、模索している実践を交流する、悩みを共有する、つまり「学び合う学び」と同じ姿勢を参加者に求めるものが、アクションリサーチ(実践的研究)の考え方です。校長も含め(校長の参加者の比率が高いことも、この研究会の特色のひとつです)さまざまな立場の実践者が、研究者と対等の立場で学び合える機会でもあります。この時期には、こうした研究会が各地で行われています。また、小牧市でも多くの研修会を開催しています。受け身でない研修を通じて、新学期への十分な充電がなされることを期待しています。

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