教育委員だよりNo.256                                                                                           

平成211124

教育長 副島孝

中高生の読書実態は

「中高生の読書意識は」という小さな記事(朝日新聞)を見たのは、118日のことです。出版文化産業振興財団(JPIC)の調査結果の記事です。記事にある中高生だけでなく、成人にも実施された調査で、インターネット調査であることが注目されます。一般に、インターネット利用者は読書をする層とは別、という認識があります。早速調査結果を調べてみました。

最初に調査結果の概要が8つにまとめてありました。とてもわかりやすい方式です。内容を詳しく見たくなります。さて、8項目は以下のとおりです。◆読書量がいちばん少ない年代は30代 ◆成人の読書しない理由のトップは「仕事、家事、勉強が忙しくて本を読む時間がない」 ◆中高生の読書しない理由のトップは「本を読まなくても不便はない」 ◆親が読書するほど子どもは読書「好き」の傾向 ◆家庭に自分が使用する本棚がある中高生は読書「好き」な傾向 ◆幼い頃に受けた“読み聞かせ”の経験は、その後の読書習慣に大きく影響する ◆本の情報を得る情報源のトップは成人・中高生ともに「書店」 ◆8割近くが福祉や公共目的の寄付について協力の意向あり

この財団の性格を物語っている感じもしますが、なかなかわかりやすい提示方法で参考になります。8項目以外についても、見てみましょう。読書好きの中高生対象の調査に限れば、「読書好きになったきっかけは何ですか?」に対して、「たまたま読んだ本が面白くて」が60%と圧倒的です。また、「読書好きになったのは何時頃ですか?」に対しては、小学校高学年をトップ(中学生対象調査では36%)に小学生時代が多く、成人を含めても70%以上が小学生時代までに好きになっています(成人男性対象調査の、中学生時代が30%も興味深いデータですが)。

実はこの調査とは別に、もう一つ気になるデータがあります。それは今年度の全国学習状況調査(学力調査と同時に実施)中学校の、読書に関する質問です。「家や図書館で、普段(月〜金曜日)1日当たりどれくらいの時間、読書をしますか?」に対して、30分以上の層は全国並みですが、全くしない層が44.8%と全国よりも5ポイント以上多いことです。小学校についても、同様の傾向が見られます。「昼休みや放課後、学校が休みの日に、本を読んだり、借りたりするために、学校図書館・室や地域の図書館へどれくらい行きますか?」でも、よい傾向とは言えません。

小牧市では、ブックスタートから始まり、えほん図書館、読み聞かせ、朝読書、学校図書館司書の派遣、図書購入費の増額、心に残る一冊の本など、さまざまな取組みを積み重ねてきました。ねらいの一つとして中高生の居場所づくりも考慮した、新図書館の建設も予定されています。しかし、まだまだ成果に結び付いてはいないのが現状です。読書は強制するものではありません。もっともっと、息の長い取組みが必要なのでしょう。また、家庭というフィルターがあるのが、読書習慣の形成の特徴かもしれません。それならば一層、いま必要とされていることだとも考えます。

目次へ戻る