教育委員だよりNo.271 

平成24117

教育長 江口 光広

成人式のビデオレター

 

 今年も1月8日にパークアリーナにおいて成人式が開催されました。少し前まで全国各地で荒れる成人式がマスコミで取り上げられたこともありましたが今はそういったこともなく、今年も静かな雰囲気の中で式が進んだことに感謝しています。
 成人式はとうの昔に済んだとか、子どもも大きくなり縁がないという方のために少し説明しますと、市の成人式は近年三部構成になっており、第一部が式典、第二部が教師からのビデオレターの上映、第三部が仲間と語り合う交流会といった内容になっています。式の企画運営については毎年出身中学校区ごとに選任された18名の運営委員さんに行ってもらっています。

 私自身はこのところ毎年成人式に参加していますが、特に好きなのが第二部のビデオレターの部分です。中学校時代の教師たちが新成人となった教え子たちにビデオを通してお祝いのメッセージを贈るのですが、その中で教師たちはじつにイキイキとした顔を見せています。普段は余裕がないこともあるでしょうが、何度も学校訪問をしていても仕事中にあんな表情はあまり見たことがありません。(ちなみにあのビデオは各運営委員がそれぞれの中学校へ出かけていって撮影してきたものだそうです。)

 かつて自分が教えた子どもたちが成人となり、スクリーンを通して会場にいることを想定しメッセージを伝えます。その内容やビデオ画面への登場の仕方に工夫を凝らす教師もいれば、教え子たちに昔の口調で思い切り呼びかける者もいます。今は他校へ異動していてもかつての学校へ集まり他の教師と一緒に合同メッセージを送る者もいます。照明を落とした会場の薄暗がりの中で新成人たちの反応がまた素早くて楽しく、彼らもその瞬間過去にタイムスリップし、スクリーンの教師と時間を共有しているのを感じます。

 むろん双方にとって当時それぞれ大変な時期もあったと思いますし、いいことばかりがあったわけではないことは想像がつきます。しかしそれにも増して教師にとっては教師としてのやりがいを教え子たちが与えてくれたことはその表情が物語っています。そして新成人たちにとってもいっとき過去を懐かしみつつ前へ進むエネルギーを得る場になったと思いますし、今後ともそんな成人式であってほしいと願っています。

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