教育長だより  


No.281

平成28 3月30

教育長 安藤 和憲


今年度を振りかえって 

 

 平成27年度も締めくくりの時期を迎えようとしています。

小牧市では、国の教育委員会制度改革に伴い、平成27年4月1日より新しい教育委員会体制をスタートさせ、1年が経過しようとしています。今年度の小牧市教育委員会の取り組みを振りかえるとき、成果としては、一点目として、いじめを見逃さないという共通認識に立って「小牧市いじめ防止基本方針」を制定するとともに、「小牧市いじめ問題対策委員会」を発足させ、いじめを生み出さない学校づくりに向け新たな一歩を踏み出したこと、二点目として、教育環境の改善の一環として市内全中学校の普通教室(一部特別教室含む)にエアコンが設置されたこと等が挙げられます。来る平成28年度にも、市内全小学校へのエアコンの導入や、今後10年間の小牧の教育の指針となる「小牧市教育振興基本計画」の策定など抱える課題は多岐にわたっています。小牧市教育委員会事務局の職員も、今回の人事異動で顔ぶれが替わります。平成28年度も新たなメンバーで、小牧の教育の充実・発展に精力的に取り組んでいきたいと決意を新たにしているところです。

今から紹介する文章は、小牧の教職員向けに発行されている『教員会報』に寄稿したものです。私の経験の中で感じたことを、「教育の原点」と題して書かせていただきました。教職員以外の皆様にも、ご一読いただければ幸いです。

〈教員会報への寄稿文より〉

 平成27年度も卒業期に入り年度の締めくくりを迎えようとしています。

話は遡りますが、今年の1月10日、パークアリーナ小牧において新成人を祝う式典が執り行われました。時を同じくして、「大人になりきれない二十歳」という見出しで、マスコミが日本各地の荒れた成人式の様子を報道していたのは記憶に新しいところです。では小牧の新成人の姿はどうだったでしょうか。一言で言えば、実に整然かつ厳粛な式典であったというのが私の率直な感想です。小牧市が子どもたちに視点をあてて進めてきた「学び合う学び」を通して彼らの心の成長を感じたひと時でした。

教育とは、結果が出るのには長い年月を要します。教職員の皆さんが日々精励している教育の本質を端的に言い表した言葉を紹介します。「根を養えば、樹木は自ずから育つ」これは、明治から昭和を生き抜いた教育者東井義雄氏の言葉です。「根」とは、基礎基本となる確かな学力と読み取ることもできますが、私はあえて「心」と受け止めています。私には東井氏が、「人間の成長の土台は心であり、心が豊かに真っ直ぐ育っていけば、その人間は自らの力で大きく成長していくものだよ」といっているように聞こえてきます。

私の教員生活の中で、今でも気にかかる教え子が何人かいます。ふとした機会に、その中の1人と20年ぶりに会うことができました。さぞ恨んでいるだろうと思っていた私に、意外な言葉が返ってきました。「あの時の先生の厳しさのお陰で今の自分があるのです」と。彼は、今では数十人の社員を抱える会社の経営者になっていました。心づくりこそ教育の原点だと気付かされる爽やかな再会となりました。私たちの心づくりは、また次年度へと続きます。                   
                                   〈以上「教員会報」より〉


平成28年度も、1,400名の小学生、1,390名の中学生が、夢に胸膨らませて入学してきます。6年後、3年後の卒業というゴールに向かって充実した学校生活が送れるよう小牧市教育委員会も全力で支援していきたいと思います。


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