教育長だより  


No.282

平成29 3月30

教育長 安藤 和憲


今年度を振りかえって 


 平成28年度も残り数日となってまいりました。
 今年度の小牧市教育委員会の取り組みを振りかえるとき、成果としましては、一点目として、今後10年間の小牧の教育の拠り所となる「小牧市教育振興基本計画」を策定したことです。
 二点目としては、教育環境の改善の一環として市内全小学校の普通教室(一部特別教室を含む)にエアコンの設置工事が進められ、本年6月末には供用開始されること等が挙げられます。
 小牧市教育委員会事務局の職員も、今回の人事異動で顔ぶれが替わります。平成29年度も新たなメンバーで、小牧の教育の充実・発展に精力的に取り組んでいきたいと決意を新たにしているところです。
 今から紹介する文章は、小牧の教職員向けに発行されている『教員会報小牧』に寄稿したものです。小牧の教育の「今」を、「心に宿るもの」と題して書かせていただきました。教職員以外の皆様にも、ご一読いただければ幸いです。

  〈教員会報小牧への寄稿文より〉

  「心に宿るもの」

 麗らかな陽光とともに迎えた平成29年も3ヶ月が過ぎ、小中学校では卒業期を迎えようとしています。
 新春の1月5日、新聞の片隅にこんな記事が掲載されていました。見出しは「高1が涙、道に散乱した紙拾い集め・・・」。内容は、県道に散乱していた古紙を一人で回収した埼玉県立鴻巣高校1年の湯本里咲さんに鴻巣署が感謝状を贈ったというものでした。
 事の起こりは、昨年12月21日夕方。自転車で通学していた湯本さんは、帰宅途中、県道を通りかかった際、新聞紙や折り込みチラシが半径3メートルにかけて大量に散乱しているのを目の当たりにした。彼女は、一度は通り過ぎたものの、「何もしていない自分に辛くなった」と現場に戻り古紙を拾い始めた。当初は、自転車の前カゴに積んで持ち帰ろうとしたが、収まり切れない。彼女は、500メートル離れたコンビニでゴミ袋を買い求め、再び拾い集める。その光景を目にした市民から鴻巣署に「女子高生が落とした荷物を一人で拾っている。かわいそうだから助けてほしい」と連絡が入る。署員が現場に駆け付けると、すでにゴミ袋3袋分、10キロの古紙が回収されていた。持ち帰れず途方にくれていた矢先、駆け付けた署員が到着。安心した湯本さんの目から涙が流れた。
 湯本さんの美談を目にした3日後の1月8日、パークアリーナ小牧において新成人を祝う式典が行われました。
 小牧の中学校から飛び立って五年。新成人との再会を楽しみに式典に臨みました。式典は、新成人としての自覚が会場全体に漂う中、厳粛かつ整然と執り行われました。この5年間の彼らの成長を感じることができたひとときでした。その姿は、小牧市が子どもたちを主体に据えて進めてきた「学び合う学び」の成果の表れと受け止めています。
 教育とは、長い年月を経てその人間の心に根付き、宿るものではないでしょうか。前述した湯本さんは、日頃から学校周辺のゴミ拾いに取り組んでおり、記者の取材に、「学校でもやっているので当たり前と思って拾いました」とコメントしています。
 日頃から当たり前のように取り組み馴染んできた学びの本質は、子どもたちの心に、着実に宿りつつあるのです。
           〈平成29年3月3日発行「教員会報小牧」第139号より〉
 平成29年度も、1,422名の小学1年生、1,403名の中学1年生が、夢に胸膨らませ入学を待ち望んでいます。6年後、3年後の卒業という集大成に向かって充実した学校生活が送れるよう、小牧市教育委員会も全力で支援していきたいと思います。この1年間のご支援・ご協力に心より感謝申し上げます。

 

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