「第1回ゲスト道徳」で大人の学び(2)
- 公開日
- 2014/05/08
- 更新日
- 2014/05/08
管理人室
「第1回ゲスト道徳」のまとめ・その2です。
●「防災」の研究を仕事にしようと思ったわけ
城下先生が所属されている、関西大学社会安全学部、という学部は、日本で関西大学にしかない珍しい学部です。
なぜ、城下先生がそこで「防災」の研究をすることになったのか、ということを、校長先生とお話ししていた時に出たキーワードがありました。
それは
「○○○○○○を守りたい」
という思いがあったから
ということで、校長先生はここで、生徒たちにこのキーワードが何か?ということを考えるよう指示をされました。
個人個人で考え、その後4人組で意見をまとめて発表してもらいました。
ここでもたくさんの意見が出ました。みんなが真剣に考えている証拠です。
「だいじなひと」「ちいきのひと」「あいするひと」・・・
城下先生の答えは「愛する人を守りたい」でした。
生徒の反応は、「え〜っ!?」と意外に感じた様子でしたが、城下先生がなぜそう考えたのかを話してくださると、最後は納得できたようです。
出発点は「好きになった人とずっと一緒にいたい」という純粋な気持ちでした。
でも、無人島に二人きりで行くということでもしなければ、それは不可能です。
では、好きな人と離れているときにその人を守ってあげるにはどうしたらいいだろう。
その人が危険な目に遭わないようにするにはどうすればいいだろう。
それには、危険が迫らないように、災害に遭わないように、防災について勉強しよう。
自分の知識で愛する人を守ることができれば、その人に感謝され、その人はまた自分の愛する人を守るために知識を使ってくれるだろう。
そうやって、愛する人への思いがつながっていくことが、結果的に多くの人を守ることにつながっていく。
城下先生の言葉に、生徒たちは静かに聞き入っていました。
「防災」というと「命を守る」と考えるでしょう。
しかし、「大切な人を守る」のは「その人の命を守ること」、そして、そのためには自分も無事でいなければならない、だから「自分の命を守ることも大切」ということに気付いてくれたことと思います。
●想像すること
「他人の歩みを聞くことは、その人の人生を味わうことですね」
城下先生が、授業のあとで、そうおっしゃいました。
直接、体験や思いを聞くことで、生徒たちは、より想像しやすくなるでしょうし、表面的にではなく、もっと深いところまで理解できるようになるのかもしれません。
校長先生が考えておられる「道徳授業」のキーワードは「想像すること」です。
本人から直接お話を聞くことで、相手の思いを想像し、立場を想像し、自分とは違う人生や考え方を知るのですね。
この経験は、生徒たちのこれからの人生のどこかで、いつかきっと役立つだろうなと感じました。
城下先生、玉置校長先生、3年1組の皆さん、すばらしい授業を参観させていただき、ありがとうございました。